リハビリ

上腕骨近位端骨折のリハビリとは

上肢の整形疾患におけるリハビリテーションについて、

ここ最近お伝えしていますが、

今日は「上腕骨近位端骨折」についてお話ししたいと思います。

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上腕骨近位端骨折は、高齢者に起こりやすい骨折であり、

全骨折の5%程度でみられます。

若い人ではスポーツや交通事故などの強い外力によって生じ、

小児では骨端線(成長線)を含んで損傷する場合もあります。

高齢者では転倒などの軽い外力で生じることが多く、

大腿骨近位部骨折(股関節)、橈骨遠位端骨折(手関節)、脊椎圧迫骨折と並んで高齢者に多い骨折の一つです。

日本骨折治療学会HPより抜粋)

上腕骨近位端(頚部)骨折の分類 Neer分類

診断には、主にNeer分類が用いられます。

1970年に発表されてから、これまで広く長く使用されています。

上腕骨近位端骨折、と言ってもいくつか種類があります。

  • 解剖頸
  • 外科頸
  • 大結節
  • 小結節

他にも脱臼骨折(前方・後方)があります。

大部分が外科頸骨折です。

上腕骨近位端骨折は、骨に付いている筋肉、腱により最大4つの部分に分かれて転位します。

転位の定義とは、

骨片間に1㎝以上の転位、もしくは45°以上の角状変形を示すものです。

上腕骨の解剖を知っておこう

上腕骨近位端とは、上腕骨の近位(=肩関節側)の骨頭付近を指します。

だいたい解剖頚くらいまでを指すことが多いです。

部位ごとの名前は必ず憶えておきましょう。

それぞれ筋が付着している、腱が走行していたりと他組織の解剖と合わせてイメージしておきましょうね。

主な付着は以下の通りです。

  • 大結節:棘上筋・棘下筋・小円筋が停止
  • 小結節:肩甲下筋が停止
  • 大結節稜:大胸筋が停止
  • 小結節稜:大円筋・広背筋が停止

大結節・小結節の間の結節間溝には上腕二頭筋腱が走行します。

上腕骨近位端骨折の予後

転移の少ない骨折の8割は保存両方でも良好な成績が得られるとされています。

最小限の転位や、2-Partは保存両方が適用されます。

3-Partでは、良好な解剖学的制服を得ることは難しいが、骨頭への血行は残存するため骨董壊死になることはない、とされています。

問題は4-Part骨折で、骨頭が壊死する可能性があるため、骨頭の温存か人工骨頭か、どちらかを選択する必要があります。

上腕骨近位端骨折のリハビリ

上腕骨近位端骨折の運動療法では、

肩甲上腕関節の可動域改善が肩関節機能の再獲得のために必須となります。

この骨折は安定型が多く、保存療法を選択することが一般的です。

保存療法としては、バストバンド固定やハンギングキャスト法などがあり、

通常4週程度の外固定の後に可動域訓練を開始します。

手術療法(骨接合術)後の外固定は、3日程度と短いです。

これは、骨折部の血流が温存され、骨癒合しやすいためです。

術後早期から関節可動域訓練を行うため、

手術侵襲による軟部組織への影響を考慮しながらアプローチしなくてはなりません。

棘上筋と肩峰下滑液包の癒着、腱板機能の低下が生じやすく、

棘上筋と滑液包の滑動機構の獲得は重要なポイントです。

先日もお伝えしたstooping ex.もよく用いられる手法ですが、

骨折部の不安定期に行う場合、いくつかのコツがあります。

  • 肩甲骨部ではなく骨折部を把持して固定すること
  • 体幹の回旋などを用いて肩甲骨操作し、関節包への伸張を行うこと

これらを注意してやってみましょう。

painful arc sign

上肢を自動挙上すると70°辺りで疼痛を訴え、120°付近で消失する現象があります。

これは、大結節や腱板が烏口肩峰アーチと衝突することにより生じる疼痛と言われています。

下関節上腕靭帯複合体(IGHLC)の伸張性が欠如すると、

骨頭は上方に押し上げられるため衝突してしまう、というメカニズムになっています。

まとめ | 自費訪問リハビリならエポック

いかがでしたでしょうか?

上腕骨近位端骨折と一括りに言ってもいくつかの分類があり、

それに基づいて治療方法や予後を検討していく必要があります。

解剖学や生理学の大切さもわかってきたのではないでしょうか?

また引き続き、リハビリに役立つ記事をアップしていきますのでお楽しみに!

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