リハビリ

筋損傷リハビリテーション②筋のバイオメカニクス

前回の「筋損傷リハビリテーションシリーズ」は「筋の正常構造」についてお話ししました。

筋損傷のリハビリテーション①筋の基礎解剖

筋は、軟部組織の中で最も使用され、最も問題が発生する組織と言えるでしょう。 今回は「筋肉の基礎解剖学」について解説します。 筋の解剖 | マクロ解剖 骨格筋は筋繊維と結合組織からなっています。 筋繊維 ...

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今回は「筋肉のバイオメカニクス」です。

力の発揮の主役となる筋はどのように力を発揮していくのでしょうか?

筋肉のバイオメカニクス | エポック解剖学コラム

筋構造・筋形態

筋の力発揮や機能の違いは筋の構造や形態の影響が大きく、

骨格筋の構造は

「力が発揮される軸方向に対する繊維の配列」

と定義されています。

力発揮に対して筋繊維が平行である場合は、筋は縦長の紡錘状となります。

一方で筋繊維が一定の角度を有している場合は半羽状となります、

筋繊維の角度が0°の場合は発揮された力はすべて腱に伝わりますが、

羽状角が30°の場合は0.87倍となります。

しかし、羽状角を有することで小さな断面積であっても

多くの筋繊維を動員することができます。

では紡錘状筋と羽状筋の特性の違いは何かというと、

紡錘状筋は、収縮速度は速いのですが大きな力を発揮することはできません。

一方で羽状筋は、収縮速度は遅いのですが多くの筋繊維を動員できるため

大きな力を発揮する事ができます。

張力発揮

筋長は長すぎても短すぎても発揮張力は小さくなります。

これは筋節の長さに対応しています。

また筋収縮速度は速いほど発揮張力は小さくなります。

さらに筋繊維長が長い筋では活動可能な緊張します。

筋繊維長が長い筋では活動可能な緊張の範囲が大きくなり、より速い筋収縮に対応できます。

収縮時変化

等尺性収縮に伴う筋長の短縮は最大随意収縮時において

23〜41%で短関節筋と比べて二関節筋で大きくなります。

一方で関節運動を伴う動作では筋収縮を伴いながら筋は伸張されます。

スプリント動作では股関節周囲筋において1.1〜1.3倍に伸張される事が報告されています。

筋と細胞外基質との連絡

筋腱接合部は最大の仕事を行う際に1,000kgもの力に耐えなければなりません。

そのためには個々の筋繊維はインテグリンと

ジストロフィン-グリコプロテイン複合体という特定の分子結合をしています。

これらのタンパク質複合体はサルコメアを介して

収縮フィラメントを細胞外基質に接続させています。

インテグリンは細胞膜上の接着受容体であり、

成長・再生・細胞間連絡において基本的な役割を果たしています。

ジストロフィン-グリコプロテイン複合体は

筋繊維全体に均一に分布しつつ筋腱接合部と神経筋接合部により豊富に存在します。

アクチンフィラメントはジストロフィンに接続し、

その後にジストログリカンなどのタンパク質複合体に繋がり、

そのジストログリカンが細胞外基質と連結しています。

筋肉のタイプ分類

張力の生成は骨格筋のサイズとタイプに依存しています。

力学的分類ミオシン重鎖によるタイプ特徴
遅筋タイプⅠ疲労耐性が高く長時間の収縮が可能
速筋タイプⅡA遅筋繊維同等に疲労耐性が高い
タイプⅡXⅡAとⅡBの中間の性質
タイプⅡB収縮時間が短く、易疲労性

遅筋であるタイプⅠは血流が豊富で

ミトコンドリアやミオグロビンが豊富に存在しているため、

酸化エネルギーの供給による疲労耐性が強く長時間の収縮が可能です。

持久系のアスリートに特徴的にみられます。

速筋であるタイプⅡは短時間の嫌気性の活動時に用いられ、

収縮時間が短く、タイプⅠより疲労しやすくなっています。

解糖能力が高く、素早くATPを加水分解して筋収縮をする事ができるため

パワー系のアスリートに多くみられます。

骨格筋繊維は活動や不活動によって変化する可塑性があり、

運動によって酸化能の高い速筋繊維へと変化します。

筋肉の解剖学まとめ | 自費訪問リハビリのエポック

前回と今回で筋の基礎的構造やバイオメカニクスについてお話ししました。

紡錘状筋と羽状筋の特性の違いから、各筋肉が速度と力のどちらを求められているのか?

筋繊維のタイプはトレーニングによって変えることができるなど

リハビリテーションを考える上でこれらの知見がどう活かされるのか。

今後筋損傷の病態や回復過程などを複数回に渡って説明していきますので更新をお楽しみに。

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