寒さも本格的になり、やっと冬が来たという感覚ですね。
暖房もたくさん使うようになり、室内と廊下や屋外との温度差が広がっています。
そんな冬に気を付けたいのが、
高血圧とそれに伴う脳梗塞
ですね。
よく「脳梗塞は冬に多い」と言われますが、
実は全体で見ると季節差はほとんどないと報告があるのですが
75歳を超える高齢者や心原性脳塞栓症患者、
中等症～重症の患者様に限っては冬に発症する割合は目立って高くなるようです。
では、なぜ冬は血圧が高くなり脳梗塞が増えるのでしょうか？
①温度差で血管は急激に収縮
当たり前の話ですが冬は寒い。
人の身体は寒さを感じると体温を逃さないように血管を収縮させます。
血管を収縮させるため血圧が上がりやすくなります。
さらにこれは温度差が大きいと血圧の変化も急激になります。
暖かくした家から家の外に出た時や寒いトイレに移動した時。
トイレに移動した時は排泄のためにいきむので余計に血圧が上がりやすくなるので要注意ですね。
また、非常に多いのがお風呂。
最近は浴室にも暖房が付いているという家庭も増えていますが、それでもほとんどの家庭は脱衣スペースは寒いでしょう。
お風呂で通常以上に身体を温めた状態から一気に寒い脱衣所に移動して一気に血圧が上がって非常にリスクの高い状態になります。
このような反応は
「ヒートショック」
と呼ばれています。
②忘年会シーズンで飲酒や塩分の過剰摂取
冬といえば忘年会や新年会のシーズンですね。
ここ1〜２年は新型コロナウィルスの影響で開催された人たちは少なかったと思いますが、
一応は緊急事態宣言も蔓延防止策も解除されたので、
年末年始の飲み会は少しずつ増えるでしょう。
飲酒は適度であればリラックスして血圧を下げますが、
多量に摂取すると血管が収縮し血圧が上がります。
年末年始に限らず常に飲酒の習慣がある人は日常でも高血圧になる傾向にあります。
また冬は本来はエネルギーを溜め込もうとする季節で食欲が湧きやすくなります
そして、食べるものも鍋物が増えて、塩分も多くなってきます。
肥満や塩分の過剰摂取が高血圧の要因になるのは周知の事実ですね。
③寒くて動かず、運動不足
さらに寒くなると外に出るのも面倒になりますし、部屋の中でもこたつから抜け出すことができずに運動不足になりますよね。
運動不足になれば肥満につながりますし、血液の循環も悪くなるためやはり血圧は上がりやすくなります。
高齢の方にはしっかり指導
いかがでしたか？
以上のような理由で冬は高血圧と脳梗塞のリスクが高くなります。
とにかく気をつけるべきは
「温度差」
です。
冒頭でも書いたように高齢者では目立ってリスクが高くなります。
患者様の中でリスクの高そうな方がいたら
しっかり指導して大事に至らないようにしたいですね。
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