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褥瘡治療・予防のためのポジショニングの基礎知識

以前の記事で褥瘡の予防法の1つとして栄養のお話をしましたので、

今回はポジショニングのお話です。

褥瘡予防と栄養の関係とは?

褥瘡の予防法の一つに栄養状態の改善があります。 今回は褥瘡の治癒のための栄養についてお話しします。 褥瘡の治癒過程 ①出血凝固期 血小板による止血→凝血塊。血小板から血小板由来増殖因子が放出。 ②炎症 ...

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褥瘡と関節拘縮 | エポック自費訪問リハビリサービス

褥瘡は体の一部に持続的な力が加わり阻血が起き、

皮膚や皮下組織が壊死してしまった状態です。

褥瘡ができやすい場所は

仰臥位:後頭部、肩甲骨部、仙骨部、踵。

側臥位:耳、肩、肘、腸骨、膝、くるぶし。

座位:坐骨、尾骨、背中

と主には骨が突き出した部分になってきます。

褥瘡のリスクを持っている人の約半分が「関節拘縮」があります。

関節拘縮があるとマットとの接触面積が小さくなり、

上記の部分への局所的な負荷が増えてしまいます。

多くの高齢者は円背になり、股関節と膝関節が屈曲位で拘縮しています。

その状態でクッションなどを入れずに仰臥位になると、

頭から背中、膝が浮いてしまいます。

そうすると、頭や胸部の重さは胸椎部、大腿部の重さは殿部、下腿の重さは踵に集中します。

そのため上述のような部位に褥瘡ができてしまうのです。

褥瘡を作らないためには局所への負荷を取り除いて、

頭部、胸部、大腿、下腿の重さはそれぞれの部位で支えるようにクッションを敷き込みます。

褥瘡予防のための下肢のポジショニング

①大腿部の重さは大腿部で支えるため

大腿部の近位部、殿部近くまでしっかりとクッションを敷き込んでいきます。

②重さをクッションで受け止めるために

大腿部に上から軽く圧力をかけて、大腿部とクッションを馴染ませていきます。

褥瘡予防のための上肢のポジショニング

①ブーメラン型やくさび形など、肩の奥まで入り、

肩から腕全体が乗りやすいクッションを使用する。

重さを支えている部分までしっかり敷き込む。

②重さをクッションで受け止めるために

上腕や前腕に上から軽く圧力をかけて、上腕・前腕とクッションを馴染ませていきます。

褥瘡予防のための頭部のポジショニング

①頭部や胸部の奥までクッションを敷き込む。

②頭部が過屈曲や過伸展をしたり、誤嚥のリスクがある場合は、

身体を全体的に横向きに若干の角度をつけて

半側臥位のような頭部を側方で受けるようにすると

後頭部や胸部に局所的な負荷が加わりにくくなります。

褥瘡予防のための側臥位のポジショニング

側臥位は原則30度

この角度にすることによって骨の突出がなくなり、

殿筋で体重を受けることができます。

褥瘡予防のための座位でのポジショニング(シーティング)

股関節屈曲90度、膝関節屈曲90度、足関節90度(底背屈0度)で座ることで、

圧力は殿部から骨の突出がなく支持基底面の広い大腿部後面に移動し

褥瘡ができにくくなります。

以上の点に気を付けて

圧力を身体全体に分散できるようにクッションなどを差し込んでいくと

褥瘡は予防できます。

一度完成したと思ったポジショニングも姿勢や可動域・筋緊張の変化によって修正していく必要が出てきます。

日頃から細かく評価・改善していくよう心がけましょう。

介護・リハビリで必ず知っておきたい褥瘡の基本知識

褥瘡とは 褥瘡とは身体の一部に持続的な力が加わることで阻血が起き、 皮膚や皮下組織が壊死することを指します。 一般的には「床ずれ」と呼ばれています。 日本での発症率は6〜7%と推測されています。 褥瘡 ...

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