リハビリ

ハムストリングスの肉離れと重症度&検査①

今回はハムストリングスの肉離れについてお話しします。

肉離れはハムストリングスで頻発し、研究報告でもハムストリングスに関するものが大半となっているほどです。

肉離れの重症度検査

①MRI

損傷部位の特定や損傷の程度を明確にできる点で有用です。

しかし、軽症の場合は偽陰性の可能性もあります。

Modified Peetrons分類超音波画像を用いた筋損傷の分類をMRIに該当させるように改良したものです。

重症度を4段階に分類しています。

0:異常なし(離脱期間8±3日)

1:浮腫あり・構造的破綻なし(離脱期間17±10日)

2:浮腫あり、構造的破綻あり(離脱期間22±11日)

3:完全断裂(離脱期間73±60日)

肉離れの重症度に影響する要因

腱まで損傷している場合は筋繊維損傷よりも予後不良という点は国内外で共通の認識となっています。

腱の非損傷群が競技復帰まで21日ほど要するのに対して、

腱の損傷群は3倍以上の72日ほど要することが示されています。

ハムストリングスにおいては坐骨結節からの距離が近いほど予後不良であることが多く、腱損傷の重症度の指標となります。

肉離れの発生機転

スプリント型ストレッチング型で受傷部位や競技復帰までに要する期間が異なることが報告されています。

スプリント型は走行中の遊脚後期に生じます。

理由としてハムストリングスは遊脚後期で伸張され筋活動が高いからです。

ストレッチ型は筋の過剰な伸張で発生し、多種目でみられます。

罹患筋初期症状競技復帰
スプリント大腿二頭筋疼痛強い早い
ストレッチ半膜様筋疼痛弱い遅い

肉離れは微細損傷の積み重ねが継続した状態で運動負荷が増大した結果、発生する可能性が高いことが示唆されています。

そのため問診時には運動負荷が増大していなかったかを聴取するとともに、疲労の蓄積などを把握する必要があります。

特に疲労は肉離れの危険因子として考えられており、

大腿四頭筋に対する収縮率の低下、発揮トルクの低下がリスクを高めることが示唆されています。

炎症所見

急性期であれば

  • 可視的な内出血
  • 水分を多く含んだ腫脹
  • 熱感
  • 局所的な筋緊張の低下

がみられます。

慢性例では

  • 受傷部位の硬結
  • 周囲組織との滑走不全や萎縮

がみられます。

疼痛検査

①圧痛

急性期以降では明らかな疼痛ではなく「違和感」「やや気になる」など曖昧な主訴が多くなりますが、

競技復帰直後の触診による局所的な不快感を訴える症例は再発リスクが4倍高まることが報告されています。

②運動時痛

伸張時痛であれば疼痛と伸張感のどちらが先に生じるかが重要で、

疼痛が先に生じる場合は組織強度が伸張ストレスに耐えられない状態である可能性が高く、重度の損傷を疑います。

収縮時痛は自動運動から評価し、疼痛が生じなければ等尺性収縮で評価します。

それでも疼痛が出なかれば、

求心性収縮、遠心性収縮、遠心性収縮、からの切り替えの順に評価していきます。

症状の有無だけでなく、どの程度まで筋力を発揮できるのかを評価することが重要です。

③動作時痛

スクワット動作や遠心性収縮を伴うランジ動作を評価します。

肉離れの発生機序と検査まとめ

いかがでしたか?

今回はハムストリングスの肉離れの重症度や発生機転と一部ですが評価項目についてお話しさせていただきました。

評価はまだまだありますので、そちらはまた別の機会にお話ししますので楽しみに!!

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