浮腫は臨床でよくみられますが、
理学療法のみで改善させることは難しく、原疾患の改善が不可欠です。
今回は浮腫を引き起こす原疾患に対する理学療法の実際について話します。
心疾患・腎疾患による浮腫
全身性に見られる浮腫の場合は理学療法のみで対応することは困難であり、
薬物療法を含めて元疾患に対する治療を最優先にします。
また静脈還流を過剰に促すようなことをしてしまうと、
心臓に過度な負荷をかけてしまうので十分に注意が必要です。
脳血管疾患による浮腫
脳卒中の後遺症として浮腫はよく見受けられますが
麻痺側のみに限局される浮腫のメカニズムは十分に理解されていません。
浮腫(むくみ)を引き起こす要因は、
pressure(静脈圧),protein(蛋白質),permeability(透過性),paresis(麻痺),pendency(下垂)
の5つのPが関与すると言われています。
浮腫をきたす「5つのP」の中にparesis(麻痺)はありますが
麻痺がどのように機能的障害をもたらすかは明確にはされていません。
血管透過性の亢進があるのではないかと考えられています。
また肩手症候群でも浮腫がみられることからも
自律神経系の機能異常が関与しているのではないかと示唆されます。
理学療法士としてアプローチが可能なことは、
活動量の低下に伴う筋ポンプ作用の低下に対しての運動療法やドレナージュ手技です。
もちろん、血栓の有無も考慮する必要があります。
外科的手術後による浮腫
侵襲的な外科手術を行った後は急性期に浮腫を認めることが多いです。
原因として筋組織などを侵襲したことによる炎症反応に起因するものや、
活動量低下による筋ポンプ作用の低下が挙げられます。
人工股関節置換術や人工膝関節置換術など
代表的な下肢の術後には静脈血栓予防のためフットパンピングなどが広く用いられます。
炎症による浮腫
炎症時にはヒスタミンなどの化学物質の作用により
血管の拡張、血管透過性亢進を引き起こし、浮腫を引き起こします。
また疼痛物質と言われているブラキジンは
ヒスタミンの15倍もの血管透過性亢進作用があるため、
その結果として浮腫を生じさせます。
炎症期に理学療法を行うことは好ましくなく、
特に蜂窩織炎のような感染症に起因するようなものは禁忌です。
リンパ浮腫
リンパ浮腫に対する治療手技として
バンテージによる圧迫療法やドレナージ手技を組み合わせた複合的理学療法が行われます。
医療界においてリンパ浮腫に対する理解度は高くないため、
見逃されることも多く、悪化してから治療を開始することが多いです。
外科的にリンパ管と静脈の吻合手術もあるが予防や完治をさせることは不可能とされています。
浮腫のリハビリテーションまとめ
原疾患 | 理学療法手段 |
心・腎疾患 | 疾患運動療法 |
脳血管疾患 | 運動療法、ドレナージ手技、間歇的空気圧迫療法 |
外科的手術後 | 運動療法、間歇的空気圧迫療法 |
炎症 | 基本的に安静 |
リンパ浮腫 | バンテージ使用による圧迫療法、ドレナージ手技、間歇的空気圧迫療法 |
浮腫の治療は原因治療が原則。
現在の理学療法における治療は
- 患肢の挙上
- 筋収縮による筋ポンプ作用の促進
- マッサージなどのドレナージュ手技
- 間歇的空気加圧装置による機械的圧迫
などの対症療法が中心になっています。
しかし、適応を十分に理解されないまま実施されることも多く、
十分な治療成績をあげられていないケースも少なくありません。
実際に心疾患の浮腫では下肢挙上による浮腫の改善は見込めないという報告もあります。
そのような状態で浮腫を放置してしまえば、
患部組織の繊維化や皮膚の角化なども見られて可動域制限を起こしてしまいます。
さらに外見的な理由から外出を控えてしまうようになるなど
QOLという点で決して軽視できない問題となることも多いです。
浮腫のメカニズムは解明されていないことも多いが、
それぞれの原因に対してなぜ浮腫が起こるのかを考えなくてはなりません。
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