起き上がりの介助は介助の中でも、特に介助者の腰を痛めやすい動作になります。
介助方法のコツは別記事でもお伝えしましたが、
自分だけの力でやろうとする必要はありません。
最近では多くの福祉用具があり、介助負担を減らすための道具がたくさんあります。
起き上がりにおいて、介助量を減らすために特に有効なのがモーター付ベッドです。
ベッドの角度や高さを上げたりして調整することで、
起き上がりの介助量は激減します。
ベッドの角度を上げるだけで、介助なしでも起き上がれるようになることもあります。
それには
- 最適なベッドの角度
- 角度を上げていく順番
が大切になります。
起き上がりに最適なベッドの角度は?
モーター付きベッドは2モーター式と3モーター式があります。
2モーター式は「頭の角度」と「高さ」が調整できるもの、
3モーター式は上の2つに加えて「足元の角度」も調整できるものです。
最近では3モーター式のベッドがスタンダードになりつつあります。
起き上がる際は頭の位置が約80cm近く持ちあがります。
それだけ大きく重心が動くことになります。
この上下の移動の負担が最も大きいのです。
そのためベッドの頭側の角度をあげることでできるだけ座位の時の位置に近い所まで頭を上げておきます。
そうすると重心の移動距離が格段に減り、最小限の力で起き上がることができます。
角度は上げれば上げるほど介助量は少なくなります。
肘をつくところまで身体を起こせる人は約30度、
肩も浮かない、という人は60度ほどまで起こしても大丈夫です。
ご本人の動作レベルを見ながらいい角度を探していきましょう。
起き上がりの介助をするならベッドの足元の角度も上げましょう
頭の角度だけ上げて行おうとする人が多いですが、
実は足元の角度も大切です。
頭だけ上げてしまうと、お尻が下にずり下がり、体が崩れてしまいます。
足元側を上げることでストッパーの役割を果たし、ずれることなく体を起こしていくことができます。
10度ほど角度を付けておくといいでしょう。
ベッド角度を上げるなら順番も大切です
起き上がる時に、ただベッドの角度を上げればいいという訳ではありません。
実は順番にもコツがあるのです。
- まずは横向きになり、足をベッドから降ろす
- 足元側を上げる(約10度)
- 頭を起こす(約30~60度)
- 足元の角度をおろして平らにする
- 体を起こす
この順番が一番効率よくベッドの角度を活かして起き上がれる順番です。
ぜひやってみてください。
※足を先に降ろすと足が痛いという方もいますので、注意してくださいね。
もし起き上がりの介助が難しい、苦労している
などありましたら、相談も受け付けていますのでお気軽にお声がけください。