リハビリ

心肺運動負荷試験を考える|心拍数から分かること

心肺運動負荷試験ではそれこそたくさんの指標が出てきます。

  • HR(心拍数)
  • R(ガス交換比)
  • VO2(酸素摂取量)
  • VCO2(二酸化炭素排出量)
  • VE/VO2(酸素換気当量)
  • VE/VCO2(二酸化炭素換気当量)
  • PeakVO2(最高酸素摂取量)
  • AT(嫌気性作業閾値)
  • VO2/HR(酸素脈)

まだまだあります。

これらを最終的には統合して判断していくことになります。

みなさんも実習生だったころを思い出してください、

個々の検査結果は多少なりとも解釈できても、統合と解釈という作業にかなり苦戦したことだと思います。

それと同じで、まずは1つ1つの指標について理解を深めていくことが

心肺運動負荷試験を理解する方法ではないかと思います。

今回は心拍数(不整脈含む)を元にどう考えていくかをお伝えしたいと思います。

心肺運動負荷試験中の心拍数の正常な反応

まずは正常を知ることです。

まず、心肺運動負荷試験として標準であるランプ負荷で考えていきます。

ランプ負荷漸増負荷試験といい、10W/分のように連続的に一定の割合で負荷量を上げていく設定です。

負荷が上がるということは、身体が(筋肉が)酸素をたくさん使って運動をするということです。

酸素を筋肉に届けるのは心臓の仕事です。

心臓が酸素をたくさん届ける方法は、一回拍出量を上げるか心拍数を上げるかどちらかになります。

実際には生体では双方が上昇して心拍出量を上げていきますが、

基本的に心拍数は運動負荷に比例して上昇していきます。

これは必ず知っておいてくださいね、

ランプ負荷中に途中で心拍数が減少するとか大幅に増加するということは生理的な反応ではありません。

では、次にランプ負荷試験中に起こる心拍数の異常についてみていきましょう。

心肺運動負荷試験中の心拍数の異常な反応

まず、グラフを見ていてすぐわかる異常としては心拍数が突然大幅に低下する現象です。

心拍数は基本的にだんだん変化するのが基本ですので、短時間に極端に変化するということは不整脈を生じている可能性があります。

心電図を見てみましょう。

よくあるのは、心室性期外収縮が増えてきた、2段脈になったなどです。

何らかの理由で心電図が心拍数をカウントできなくなれば、機械上の心拍数は極端に変動します。

次に、その反対で急に上昇した場合です。

これも、先ほどからお話している通り通常ではありえない反応なんですよね。

急な心拍数の上昇は心房細動患者さんによくみられます。

他には発作性上室性頻脈(PSVT)のように突然発症する頻脈性の不整脈です。

やはり、こちらも不整脈が原因であることが多いと思います。

もう一つは、そもそも心拍数が上昇しないパターンです。

こちらは心不全に多いのですが、変時性応答不全と呼ばれる現象です。

交感神経優位となっている病態を反映していると考えられるため、

だいたい安静時の心拍数が高くてかつ運動負荷に伴う心拍数の上昇が乏しいというのが特徴です。

リハビリ中で言うと、ずっと同じ心拍数のように感じるかもしれません。

絶対に間違えてはいけないのは、運動耐用能が高いから心拍数が上昇しないわけではないということです。

真逆の解釈となりますのでここだけは注意して下さい。

心肺運動負荷試験における心拍数の変化まとめ

以上のように、心拍数の変化からわかることはたくさんあります。

ペースメーカが入っていればまた違った変化をすることもあります。

運動耐用能を反映する指標が酸素摂取量(VO2)ですが、Fickの式では

VO2=CO×c(A-V)O2 diff

(CO=心拍出量  c(A-V)O2 diff =動静脈酸素含量較差)

CO=SV×HR SV:一回拍出量

となります。

つまり、心拍数の変化というのは結果的に酸素摂取量に影響します。

そして、運動処方で最も用いられるのは心拍数ですので、心拍数の理解は臨床で役に立ちます。

不整脈をしっかり理解して臨床で活用してみて下さい。

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