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多系統萎縮症の病態とリハビリテーション | エポック自費訪問リハビリ

多系統萎縮症とは脊髄小脳変性失調症の過半数を占める進行性の疾患で神経系の複数の系統が侵されます。

40代以降で発症することが多く、大半は50代で発症します。

脊髄小脳変性症の有病率は10万人あたり13人と言われています。

  1. 小脳や脳幹が障害される小脳失調型
  2. 大脳基底核が障害される
  3. 自律神経が障害される自律神経型

の3タイプがありますが、

最初はどれか1つのタイプとして発症しても進行していくうちに他のタイプも発症し、

どのタイプから発症しても最終的には同じ症状になる傾向になります。

この3タイプは以前は別の病気として考えられていましたが、

どれも脳細胞の中にαシヌクレインという物質が溜まりGCIという構造物が出現することが判明し同じ病気で症状の出方が違うに過ぎないということがわかっていますが、

それ以上のことはまだ十分に解明されていません。

発症して5年以内に車椅子生活を余儀なくされることも多く、発症から10年ほどでなくなるケースが多いようです。

多系統萎縮症の症状

多系統萎縮症はの症状は大きく分けて

  • 小脳症状
  • パーキンソニズム
  • 自律神経症状

の3つになります。

①小脳症状

協調運動障害が起こります。

平衡感覚が失われてふらついたり、手脚の動きを制御できなくなります。

結果として歩行が困難になります。

また目の焦点を合わせることや目で追うことが困難になったり、ドアの取手を回したりといった素早く交互に動かすことが困難になることもあります。

②パーキンソニズム

パーキンソン病に似た症状です。

筋肉が硬くなったり、動きが遅く震えるようになったり、動作の開始が困難になります。

歩行時に足を引きずり腕の振りがなくなることもあります。

歩行が不安定になり転倒しやすくなります。

パーキンソン病との違いは

  • 安静時振戦が少ない
  • 構音障害や嚥下障害の進行が早い
  • レボドパ治療があまり効果がみられない

といったものがあります。

③自律神経症状

起立性低血圧により立ち上がった時にめまいやふらつき、失神を起こすことがあります。

切迫した尿意を感じ排尿回数が増えたり、尿失禁、逆に尿閉を起こすこともあります。

便秘もよくみられます。

その他にも汗や涙、唾液の量が減少して口渇がみられたり、嚥下障害や呼吸障害がみられたり、睡眠時無呼吸症候群もみられます。

多系統萎縮症の治療

多系統萎縮症は原因不明のため根本的な治療法はありません。

薬物療法や生活指導、リハビリテーションが中心になります。

小脳症状には経口脊髄小脳変性症病薬や甲状腺刺激ホルモン、

パーキンソニズムには抗パーキンソン病薬、

自律神経症状には自律神経調整薬が処方されますが、

限界があるためリハビリテーションが重要になります。

多系統萎縮症のリハビリテーション

①手足の重りをつけたり弾性包帯を巻く。

小脳症状に対して重りをつけることで求心性の感覚入力によって運動失調を抑えます。

②バランス練習

四つ這いや膝立ち位、立位で重心移動の練習をします。

③起き上がり、立ち上がりの練習

手すりに掴まったり、反動をつけずに起き上がるためにしっかりと横向きに寝返り、そこから肘を使って起き上がる練習をします。

ベッドやトイレから立ち上がるときに重心が足に乗り切る前に立ち上がろうとして不安定になりますので、

立ち上がりでも物に捕まらずにしっかりと身体を前に倒してお辞儀をするように立つ練習をします。

床からの立ち上がりも四つ這いから片膝立ち位になってゆっくり立ち上がる練習をします。

多系統萎縮症になっても決して筋力が衰えているわけではありません。

運動を記憶するプログラムが破損しているので、筋力トレーニングではなく動作練習が重要になります。

④歩行練習

歩行障害もよくみられます。

肩の力を抜き、膝を少し曲げ、歩幅を狭めて練習をします。

腕にも運動失調があると杖をうまくコントロールできずに転倒のリスクが高くなることがあります。

⑤発語練習

次第に話すことも難しくなります。

姿勢を正して話す練習や「あ〜!!」と発生しながら抑揚をつけたりします。

【参考】

  • 1回1時間、週3回、バランス練習、協調運動練習などで構成されたリハ介入を4週間施行したところ、運動失調評価指数(SARA)が平均5.2ポイント改善し、8週間効果が持 続した。また介入終了後も家庭での自主練習を継続したところ、1年後の評価でもSARAは介入前よりも改善していた

Ilg W,et al:Intensive coordinative training improves motor performance in degenerative cerebellar

dis-ease.Neurology 2009;73:1823-1830

  • 関節可動域運動、筋力増強運動、静的・動的バランス運動、協調性課題、 ステッピング練習、歩行練習などを1日2時間、4週間行ったところ運動失調、ADL、歩行速度などに介入効果があり、フォローアップで運動を継続した結果、6か月後も持続効果がみられた

Miyai I,Ito M,et al:Cerebellar ataxia rehabilitation trial in degenerative Cerebellar

diseases.Neurorehabil Neural Repair.2012;26:515-22

  • 1日20分間のバランス練習を中心とした自主練習を6週間実施し たところ、歩行速度や重複歩調などが改善し、その効果は1か月続き、さらに患者の主観的な難易度が高いほど歩行速度の改善も大きかった

Keller JL,Bastian AJ:A home balance exercise program improves walking in people with cerebel-lar ataxia.Neurorehabil Neural Repair 2014;28:770-778

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