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リハビリテーションに役立つ「脳幹」に関する基礎知識

進行性核上麻痺の病態まとめ

進行性核上麻痺(progressive supranuclear palsy: PSP)とは 大脳基底核、脳幹、小脳といった部分の脳神経が徐々に減っていく指定難病です。 約10万人に1人程度で男性に多 ...

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下位脳幹とは

下位脳幹とは延髄、橋、中脳のことで

  • 脊髄からの上行路
  • 小脳との連絡路
  • 間脳からの下行路
  • 10対の脳神経核、網様体

などがある

延髄

  • 下部は円錐状だが橋に近づくと背部が広がっている。
  • 脊髄との境の腹側で錐体路が交叉。
  • 脳神経核(Ⅸ〜Ⅻ)、後索核、オリーブ核がある。
  • 自律神経反射と姿勢反射の中枢があ利、生命維持に不可欠。
  • 橋と延髄の間を切断した延髄動物では四肢を床につけると起立はできるが傾けると倒れる。

A.自律神経系中枢

①呼吸器系

呼吸中枢、発声中枢、呼吸器を保護する咳中枢、くしゃみ中枢がある。

②循環器系

網様体には血管運動中枢があり、血圧を調節する、心臓の働きを調節する心臓中枢がある。

③消化器系

唾液分泌中枢、嚥下中枢、嘔吐中枢がある。

④その他

涙液分泌中枢や上位の発汗中枢がある

B.姿勢反射中枢

①緊張性迷路反射

頭の位置によって四肢の筋の緊張は変化する。

これは頭の位置によって重力との関係が変化して四肢の抗重力筋(伸筋)の緊張が変化するために起こる。

例)顔が上を向く背臥位の時は四肢の伸展が強くなり、下を向く腹臥位の時は四肢の伸展が弱くなる。

*この反射は上部頸髄の後根を切断してもみられる。

背臥位にすると迷路(内耳)の耳石に働く重力の作用で

迷路からのインパルスが前提神経核からの前庭脊髄路を介して

伸筋のα運動ニューロンを刺激し四肢が伸展する。

②緊張性頸反射

頸部の回転によって頸筋が伸張されると四肢の緊張が変化する。

顔を右に向けると右側の四肢の伸筋の緊張が亢進し左側の屈筋の緊張が亢進する。(非緊張性頸反射)

頭部を後屈すると上肢は伸展し、下肢は屈曲する。

頭部を前屈すると逆の反応が起こる。(対称性頸反射)

*この反射は上部頸髄の後根を切断しても消失する。

頸筋筋紡錘などの受容器からのインパルスが頸髄や延髄に入り前庭脊髄路のγ運動ニューロンを刺激するため。

  • 延髄に挟まれた部分で橋の背側には第四脳室があり、脳脊髄液が流れている。
  • 腹部には橋核があり、橋から反対側の中小脳脚を介して小脳と結合している。
  • Ⅴ〜Ⅷ脳神経核がある。
  • 角膜反射や下顎反射(三叉神経)、眼輪筋と口輪反射(顔面神経)の神経核。
  • 橋排尿中枢がある。

中脳

  • 間脳と橋に挟まれた長さ約2cm。
  • 中脳には四丘体(上丘、下丘)、被蓋(動眼神経核、滑車神経核、赤核、黒質)と大脳脚があり、大脳皮質、間脳、延髄、小脳の伝導路の中継点。
  • 中脳には眼球運動と姿勢反射の中枢がある。

A.眼に関する反射

対光反射の中枢、反射的眼球運動の中枢および遠近調節反射の中枢がある。

B.立ち直り反射

中脳動物を床に倒すと、まず頭を水平に戻し、次に胴体を起こし、正常位に戻そうとする。

重心が移動しても重力に抗して姿勢を戻すことができる(立ち直り反射)。

迷路からの立ち直り反射、頸からの立ち直り反射、体側にかかる刺激からの立ち直り反射がある。

視覚も立ち直り反射に重要な要因。

C.除脳固縮

中脳と間脳の四丘間(上丘と下丘の間)を切断すると四肢の抗重力筋の緊張が亢進し伸展する。

除脳固縮は四肢伸筋の伸張反射が著しく亢進した状態で後根の切断で固縮が減弱や消失する。

γ環が関与しているのでγ固縮とも言われている。相反神経支配は見られない。

この現象は伸筋に対して前庭核や下位脳幹網様体が促進的に大脳皮質運動野、大脳基底核、小脳が抑制的に働いていて、

中脳で切断されると、そのバランスが崩れるために生じる。

つまり上位からの抑制が遮断されると脳幹網様体や前庭核が優位になり、

γ運動ニューロンの活動が亢進してγ環を介してα運動ニューロンの活動が亢進するために起こる。

脳幹の主な障害

A.延髄

①Horner 症候群

  • 交感神経の麻痺
  • 縮瞳 (瞳孔散瞳麻痺)
  • 眼瞼下垂 (軽度)
  • 眼球陥没
  • 顔面、結膜の血管拡張
  • 発汗障害

②Wallenberg 症候群

  • 延髄外側の障害(延髄外側症候群)
  • 嘔吐
  • 嚥下障害
  • 嗄声
  • Horner症候群
  • 小脳症状
  • 同側顔面温痛覚障害
  • 対側首から下温痛覚障害

B.橋

①MLF 症候群

  • 内側縦束の障害
  • 側方注視の際、障害側の内転麻痺、対側の外転時眼振。
  • 輻輳の際、内転は可能。
  • 片側性 >>血管障害
  • 両側性 >>MS、梅毒

②Locked-in 症候群

  • 橋腹側と延髄の障害
  • 四肢麻痺、無言
  • 意識清明、垂直眼球運動可能

③Dejerine 症候群

  • 延髄正中部の障害(延髄傍正中症候群)
  • 対側運動麻痺
  • 対側深部感覚、触覚障害
  • 同側舌下神経麻痺

C.中脳

①Weber 症候群

  • 大脳脚の障害(大脳脚症候群)
  • 動眼神経麻痺
  • 対側半身不全麻痺

②Benedikt 症候群

  • 赤核の障害(赤核症候群)
  • 動眼神経麻痺
  • 対側半身不全麻痺
  • 振戦、アテトーゼ

③Parinaud 症候群

  • 四丘体、後交連など上部中脳背側の障害
  • 垂直注視麻痺
  • 輻輳麻痺
  • 対光反射消失
  • 松果体腫瘍、脳底動脈閉塞、咽頭・頭蓋底腫瘍

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