あれ?膝関節が屈曲しないな。
もしかして、大腿直筋の短縮があるのかもしれないな、よし股関節の肢位の違いによる膝屈曲角度を見てみよう。
臨床ではこのように、ある現象に対して仮説を立て、それを検証する作業を繰り返します。
クリニカルリーズニングですね。
この時、あなたは自分の頭の中から仮説を支持する方法、否定する方法を絞り出して評価していると思います。
統計学の世界でも同じようなことを行います、仮説検定と呼ばれます。
臨床場面での仮説検証と違うところは、『統計学的に』仮説検定を行うということです。
その時に利用するのが帰無仮説と対立仮説です。
- 帰無仮説って何のことかよくわからない
- 帰無仮説と対立仮説の立て方が分からない
このような方はこの記事を最後まで読み進めて疑問を解決してください。
先ほどの例のように、
臨床場面で仮説検証をしていない理学療法士や作業療法士にとっては難しく感じるかもしれませんが、
至極基本的なことなので必ず理解してください。
まずは、帰無仮説について説明します。
帰無仮説の立て方はたったこれだけ!
帰無仮説というのは文字の通り無に帰する仮説です。
例を示します。
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野球がめちゃくちゃ強い強豪校Aと創部1年目の弱小高校Bがあったとします。
なぜA高校はこんなに強いのか?とあなたは考えました。
『野球と言えばやはり握力が大事だから、A高校は握力が強いに違いない』
そう思ったとします。
そこで、A高校とB高校の野球部員20名の握力を測定しました。
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この時、あなたが言いたいことは
『A高校の方がB高校より有意に握力が強い』
ということです。
しかし、この仮説を直接証明することは難しいため、逆の仮説を立てます。
『A高校とB高校の握力に差がない』
この仮説は、あなたが支持している仮説ではありません。
この仮説を否定してあなたの支持している“差がある”という仮説を証明したいのです。
このような、否定したい仮説の事を帰無仮説と呼びます。
仮説を否定することを“棄却する”と呼びます。
あなたの仮説を支持するためだけに生まれ、すぐに棄却されてしまう悲しい仮説です。
帰無仮説の反対にあるのが対立仮説
対立仮説と言うとあなたの意見に対立しているように感じますが、まったく違います。
帰無仮説に対立している仮説、という意味合いです。
さきほどの例で言うと
『A高校とB高校の握力に差がある』
というのが対立仮説です、あなたの言いたいことです。
帰無仮説を棄却すれば、あなたの言いたいことが言えます。
(もちろん、強豪校の方が強いというのが正しい差です)
統計学においては100%ということはあり得なくて、ここで利用するのが有意水準と言われるものです。
有意水準は統計学の慣習で5%もしくは1%が良く利用されます。
明確な理由はありません。
あなたが統計学の世界で仮説検証しようとするのであれば、統計学の慣習には従うべきなのです。
よく、p値と呼ばれますがp値というのは帰無仮説が正しいとしたときに得られる確率です。
したがって、p値が0.05未満であれば有意水準を満たすので帰無仮説が棄却されます。
帰無仮説が棄却されたということは、対立仮説が正しいと言えるわけです。
ここで注意して欲しいのは、帰無仮説が棄却できなかった場合です。
この場合、差がないということが示されたわけではなく、差があるとは言えないということがわかっただけです。
要するにA高校とB高校のどちらが握力が強いか(弱いか)わからない、ということになります。
帰無仮説と対立仮説の立て方まとめ
[st-square-checkbox bgcolor=”” bordercolor=”” fontweight=”” borderwidth=”3″]
- 帰無仮説は棄却されるために生まれた悲しい仮説
- 対立仮説はあなたが支持している仮説
[/st-square-checkbox]
仮説検定は頻繁に利用されますし、似たような考え方は臨床現場においては重要です。
統計学は苦手、と言わずにきちんと意味を理解しておいてください。
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