臨床研究というものは、日頃の臨床での疑問から始まります。
疑問というのは漠然としたものから始まります。
『心不全患者さんにはどのような治療をすればよいだろうか?』
このような臨床での疑問をクリニカルクエスチョンと呼びます。
研究をするしないに関わらず、このような疑問を常に自然と持てることは臨床能力として重要である
と筆者は考えております。
疑問に思うということは、考えている証拠。
もっと患者さんのためにできることはないかと悩んでいる証拠です。
この姿勢は理学療法士や作業療法士にとって至極当然のことですが、なかなかできていないセラピストが多いのも現状です。
この記事では、クリニカルクエスチョンからリサーチクエスチョンへ導く方法を紹介します。
繰り返しになりますが、
臨床研究をしないから必要ないというものではなく、臨床で活躍するすべてのセラピストが知っておくべきことです。
クリニカルクエスチョンからPICOを用いて考える
PICOとは、Patient,lntervention(Exposure),Comparison,Outcomeの頭文字をとったものです。
先ほどの心不全の例で、運動療法をするべきか保存療法でいくべきか悩んだとします。
- P:対象患者の事、この例では心不全患者
- I:行おうとしている、効果があるのではないかと思っている治療、この場合は運動療法
- C:比較対象の治療、この場合は保存療法
- O:アウトカム、今回は運動耐用能向上とします
これでPICOができました。
簡単じゃん、と思うかもしれませんが日ごろからこのような視点で理学療法や作業療法をとらえておくことが大事です。
次に、文献検索を行います。
医療は多くの偉大なる先人たちの研究から成り立っています。
あなたが抱いた疑問を、過去に誰かも抱いている可能性が高いです。
最もよく使われるのはPubmedでしょう。
日本語の文献だけでは少々役不足です。
すでに明らかになっていることなのか、まだ十分に分かっていないことなのかを明確にします。
リサーチクエスチョンが適切かどうかをFINERで考える
FINERとは以下の頭文字をとったものです。
- F:実施可能である(Feasible)
- I:興味深い(lnteresting)
- N:新規性がある(Nove1)
- E:倫理的である(Ethical)
- R:患者の利益と関連しており重要である(Relevant)
先ほどの文献検索で過去にあなたのリサーチクエスチョンと同じ研究をされていない場合、新規性が高いかもしれません。
同時に、価値がないものかもしれないのです。
つまり、Rを満たしておらず誰も研究をしていないだけかもしれません。
あるいは、Iを満たしておらず興味深くない、理想論過ぎて現実的ではなくFを満たしていないかもしれません。
もちろん倫理的ではない研究は行えませんし、あまりにお金や時間ががかかりすぎる研究は実施可能性が低いと判断されます。
希少な疾患であったり新しい治療法であればNovelは満たす可能性が高いですが、
本当にそうなのかできれば専門分野が違う仲間に聞くのが良いでしょう。

この2つの軸で考えるとわかりやすいです。
④は一番やってはいけない、重要性が低くて実施可能性が低い研究です。
目指すべきは③です、研究をする前にきちんと計画を立てましょう。
クリニカルクエスチョンからリサーチクエスチョンに変える方法まとめ
- まずは日頃の臨床から素朴なクリニカルクエスチョンを
- PICOを用いてリサーチクエスチョンへ
- FINERで研究するべきかどうかを判断する
この流れで考えましょう。
臨床研究は労力をかなり費やしますので、価値のない研究を闇雲にやることは好ましくありません。
時間はかかりますが、きちんと吟味して取り組むべきであると考えます。
ぜひ一度試してみて下さい!
最後までお読み頂きありがとうございました。