頚椎症とは
頚椎症とは、首の骨(頚椎)やその周囲の組織が加齢や負担の蓄積によって変性し、神経や脊髄を圧迫する状態を指します。
首の骨は7つあり、その間にはクッションの役割を持つ椎間板があります。
さらに後方には靭帯や筋肉が首の安定性を保っています。
加齢や長年の姿勢習慣により、この椎間板や骨の形が変わり、周囲の神経を刺激することで症状が現れます。
頚椎症は大きく次の3つに分類されます。
頚椎症性神経根症:腕や肩に行く神経(神経根)が圧迫され、しびれや痛みが出る
頚椎症性脊髄症:脊髄そのものが圧迫され、手足のしびれや歩行障害、巧緻動作障害が出る
混合型:神経根と脊髄の両方に影響がある
頚椎症の主な原因
頚椎症は1つの原因で発症することは少なく、複数の要因が重なって進行します。
加齢性変化:椎間板の水分が減少し、クッション性が失われる
骨棘形成:骨の端にトゲ状の変化(骨棘)ができ、神経を圧迫する
姿勢の悪化:長時間のデスクワークやスマホ操作による首の前傾(ストレートネック)
外傷:交通事故やスポーツ外傷による頚椎の損傷
遺伝的要因:椎間板や骨の変性が起こりやすい体質
特に近年は、若年層でもスマホ首による頚椎症予備軍が増加しており、予防の重要性が高まっています。
頚椎症の症状
頚椎症の症状は進行度や圧迫部位によって異なります。
首や肩のこり、鈍痛:筋肉の過緊張や椎間関節への負担増加による
腕や手のしびれ・感覚低下:神経根圧迫による感覚障害
筋力低下:圧迫された神経根支配の筋肉が弱くなる
巧緻動作障害:脊髄圧迫でボタン掛けや箸の使用が難しくなる
歩行障害:下肢の突っ張りやバランス不良
膀胱直腸障害:重度脊髄圧迫による排尿・排便障害
注意が必要なのは、脊髄症状が出ている場合は早急な医療介入が必要という点です。
しびれや歩行障害が徐々に悪化している場合は、整形外科でMRIなどの精密検査を受けることが推奨されます。
診断と治療の流れ
問診・身体診察
しびれの範囲、痛みの強さ、日常生活への影響を確認します。画像検査
X線(レントゲン)、MRI、CTで頚椎の変性や神経圧迫の有無を確認します。治療方針の決定
軽傷:保存療法(薬・リハビリ・生活指導)
中等度以上:症状や画像所見により手術を検討することも
手術適応の目安には、歩行困難、JOAスコア10点以下、膀胱直腸障害、MRIでの明らかな脊髄圧迫などがあります。
保存療法
薬物療法:消炎鎮痛薬、ビタミンB12製剤、筋弛緩薬など
装具療法:頚椎カラーで一時的に動きを制限し炎症を抑える
温熱療法:血流を促進し筋肉の緊張を和らげる
リハビリ:姿勢改善や筋力強化、ストレッチを行う
頚椎症のリハビリでのアプローチ
自宅で行う訪問リハビリは、通院が難しい方や長期的なケアが必要な方に適しています。
自費訪問リハビリでは、時間や内容に制限が少なく、症状や生活環境に合わせたオーダーメイドのプログラムが可能です。
姿勢改善トレーニング
猫背やストレートネックによる頚椎前傾を改善するため、胸椎伸展運動や肩甲骨下制を促す筋力強化(僧帽筋下部線維、菱形筋)を行います。
可動域改善
首や肩周囲の柔軟性を高め、動作時の痛みを減らします。
無理のない範囲での頚部回旋運動や側屈運動を行います。
神経症状への対応
しびれや感覚低下がある場合は、手の巧緻動作訓練(ボールつかみ、洗濯ばさみ操作など)を行い、神経の働きを維持します。
生活動作指導
枕の高さ調整、起床時の動作指導、デスクワーク環境の改善など、日常生活での頚椎負担軽減策を指導します。
リハビリの注意点
急な運動負荷は避ける
しびれや麻痺の悪化があれば中止
医師の診断と並行して実施
リハビリでは、状態を毎回確認しながら無理のない範囲で行うことが大切です。
予後と生活上の工夫
頚椎症は、適切なリハビリと生活習慣の見直しで進行を抑えることが可能です。
デスクワーク時は30分ごとに首・肩を動かす
スマホは目線の高さで使用する
枕は低めで首の自然なカーブを保つ
適度な運動とバランスの取れた食事
まとめ
頚椎症は加齢や姿勢習慣が大きく関わる疾患であり、症状の進行を防ぐには早期のリハビリと生活習慣改善が重要です。
訪問リハビリを活用すれば、自宅で安心して首・肩・上肢の機能を保つことができます。
症状が悪化する前に、まずは専門家へ相談し、継続的なケアを始めましょう。
エポックでは、自費訪問リハビリを通じて頚椎症の方の生活の質向上をサポートしています。
自宅での安全な運動指導、生活動作改善、再発予防まで一貫して対応可能です。
首や肩のしびれ・痛みでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。