リハビリ

ハムストリングス肉離れ治療の基本原則

前回は「ハムストリングス肉離れの検査②」でしたが、今回から治療のお話になっていきます。

そして、今回は「治療原則」です。

急性例では組織損傷の治癒が優先のため負荷管理がポイント。

慢性例では組織損傷が明らかでないことも多いため、

初期から原因となる問題点へのアプローチが治療の中心となります。

患部のコンディショニング・負荷管理

①損傷タイプを考慮し適切な運動処方をする

損傷タイプによって予後が異なります。

特に奥脇分類のⅡ型(損傷が腱膜・筋腱移行部に及ぶ)では、

早期の遠心性収縮は損傷した腱の治癒を阻害する可能性があるため、

疼痛が生じない範囲で等尺性収縮のエクササイズから始めます。

またハムストリングスは二関節であるため、その特性を生かし、

近位損傷では遠位関節中心のエクササイズ、

遠位損傷では近位関節中心のエクササイズから実施し、

患部周辺の関節運動が優先させません。

遠心性収縮はハムストリングス肉離れを予防する上で重要です。

その代表例としてノルディックハムストリングスエクササイズ(NHE)がありますが

筋活動を調べると大腿二頭筋よりも半腱様筋で高く、

大腿二頭筋損傷者では低い結果を示しました。

さらに大腿二頭筋の近位は遠位よりも筋活動が低いということが報告されています。

ハムストリングスの肉離れは大腿二頭筋の近位部に生じやすいことを考慮すると

ハムストリングス肉離れに適したエクササイズであるか疑問視されています。

②筋収縮はできるだけ早期から伸張位で

急性期の過度な運動は避けるべきですが、

過度な長期間の安静は組織の脆弱性を増加させるということは他の軟部組織と共通しています。

そのため患部の等尺性収縮は発生後5日以内には開始することが良いとされています。

またエクササイズは伸張位で実施した方が予後が良好であることが明らかになっています。

そのため急性期の運動療法は、

疼痛が増大しない条件下で可能な限り伸張位で行うことが推奨されています。

③肉離れ既往がある場合は筋の状態をしっかり評価する

肉離れの既往がある場合、硬結や滑走不全、、筋萎縮が潜んでいる可能性を疑います。

特に重要なのは触診で、

  • 硬結の有無
  • 筋間の指先の挿入のしやすさ(滑走不全)

などを近位から遠位からまで丁寧に評価し、

健患差を確認します。

④運動負荷は必ず治療者側でコントロール

ハムストリングス肉離れは競技復帰後の再発だけでなく、

競技復帰前の症状悪化も生じやすいことが報告されています。

患部の組織耐久能の低下や動作不良の残存、肉離れに対する患者様の過小評価が挙げられます。

そのため治療者側の方で運動負荷をコントロールし患者任せにはしないことが重要です。

患部外・動作機能不全

①患部以外の機能不全も要チェック

患部外の機能不全は動作不良に繋がることが多いため、早期からアプローチします。

オーバーストライドはハムストリングス肉離れの発生機転に多くなります。

また非損傷側の機能不全が関連していることも考えられるため、

一連の動作としてスクリーニングを行うことが重要です

②筋機能だけでなく動作自体も鍛えよう

肉離れリスクに対しては運動制御の重要性が提唱されていて、

ベッド上で筋機能が十分に改善しても実際の動作で活用できなければ意味がないため、

発生機転となった動作に近いエクササイズを処方し、徐々に慣れさせていく必要があります。

今回は大枠の治療原則をご紹介いたしました。

次回は回復のステージに合わせて治療プロトコルについてお話しいたしますので、次回の更新を楽しみにお待ちください。

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