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理学療法士が教える浴室内での起立性低血圧について

浴室内での起立性低血圧について考えてみよう

突然ですが、皆さんは 起立性低血圧 について考えたことがありますか?

「え、急に何の話?」と思われるかもしれませんね。

というのも、昨夜お風呂から上がった瞬間、めまいがしてしまいまして……。
完全に運動不足がたたっていますね。

では、まず 起立性低血圧の定義 から確認してみましょう。

起立性低血圧とは?

起立性低血圧とは、仰向けや座った状態から立ち上がる際に、3分以内に血圧が急激に低下する現象です。具体的には、

  • 収縮期血圧が20mmHg以上低下する
  • 収縮期血圧が90mmHg未満に低下する
  • 拡張期血圧が10mmHg以上低下する

このような血圧の変化が見られる場合、起立性低血圧と診断されます。

主な症状は、めまい、ふらつき、失神(重症の場合)などが挙げられます。これは脳の虚血(酸素不足)によるものです。
実際、起立性低血圧で受診する人の多くは、失神を経験した後に病院を訪れるケースが多いようです。

高齢者に多い起立性低血圧

起立性低血圧の厄介な点は、原因が多岐にわたることと、高齢者に多くみられることです。

例えば、「朝起きると血圧が下がる」という人、結構いませんか?
私の場合は、お風呂から上がった瞬間にくらっとしましたが。

薬の影響にも要注意

起立性低血圧の原因として服用している薬も大きく関係します。
特に影響を及ぼすのが、

  • 降圧薬
  • 抗不整脈薬
  • 中枢神経作動薬

特に、降圧薬を服用している人で血圧が低いケースは本当に多いです。

なぜ血圧が下がるのか?

人が仰向けから立ち上がると、500~800mlもの血液が胸から腹部や下肢へ移動します。
この結果、静脈還流量(心臓に戻る血液量)が約30%低下し、心臓は「血液が足りない」と認識して機能を活発化させます。

では、心臓はどのように血液不足を感知するのでしょうか?

血圧調整の仕組み

血圧の変化を察知するのが、頸動脈洞にある「圧受容器(伸展受容器)」です。
ここが働くことで、血圧の維持機能が発動します。

血圧を維持する方法は主に2つあります。
心臓の収縮力を強めることと、末梢血管を収縮させることです。

また、血圧が低下した場合は、心拍数を上げることで血流量を補います。
このような機能が正常に働くことで、私たちは立ち上がった際も倒れずにいられるのです。

入浴後の低血圧による転倒を防ぐには?

入浴後に低血圧になり、転倒する高齢者は非常に多いです。

私の場合、入浴によって交感神経が活性化し、末梢血管が拡張した状態で、浮力のあるお湯の中から

重力の影響を受ける陸上に移動したため、めまいが起こったと考えられます。

では、予防法はあるのでしょうか?

簡単な方法として、お風呂から上がった後に 両足に冷水をかける ことが挙げられます。
これだけで入浴後の低血圧を予防できるんです。知っていましたか?

ぜひ試してみてくださいね。

最後に

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
日常のちょっとした工夫で転倒リスクを減らし、安全な生活を送りましょう。

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