自費訪問リハビリで、ご自宅でもできるケアを
「最近ふらついて転びそうになる」
「手が思うように動かない」
「立ち上がるとフラッとする」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
それは「多系統萎縮症(MSA)」と呼ばれる病気かもしれません。
進行性の病気であるこの症状に対して、早期からのリハビリがとても重要です。
多系統萎縮症とは?
進行性の神経疾患と向き合うために知っておきたいこと
多系統萎縮症(MSA)は、脊髄小脳変性症の中でも特に多くを占める進行性の神経疾患です。
この病気では、脳のさまざまな領域――小脳・脳幹・大脳基底核・自律神経系など、複数の神経系統に障害が及びます。
発症は主に40代〜50代に多く、徐々に進行していくため、日常生活に支障をきたす症状が次第に現れてきます。
多系統萎縮症の有病率と症状のタイプ
脊髄小脳変性症の中でも、多系統萎縮症の有病率は約10万人に13人程度とされる、比較的まれな病気です。
ただし、以下のような3つのタイプの症状があり、それぞれ進行とともに重なっていくのが特徴です:
小脳失調型(MSA-C):小脳や脳幹が障害され、ふらつき、転倒、話しづらさなどが出ます。
パーキンソン型(MSA-P):大脳基底核の障害により、動作が遅くなったり、体がこわばる、手足が震えるといった症状が出ます。
自律神経型:血圧の変動、排尿トラブル、便秘、発汗や涙の減少などが見られます。
※発症初期はこのうちの1タイプが主ですが、進行するとすべてのタイプの症状が現れる傾向にあります。
なぜ多系統萎縮症が起こるのか?
これらの3タイプは、以前は別々の疾患と考えられていました。
しかし現在では、いずれも脳内にα-シヌクレインというたんぱく質が異常に蓄積し、GCI(グリア細胞内封入体)と呼ばれる構造物が形成されることが共通していると判明し、同一の疾患概念として捉えられるようになりました。
とはいえ、なぜα-シヌクレインが異常に蓄積するのかなど、病因の詳細はいまだ明らかにされておらず、現在も研究が進められています。
多系統萎縮症の3つ症状
① 小脳の障害によるふらつき・動作の不安定さ
立ったり歩いたりするとふらつく
細かな動作(ボタンかけ、ドアノブ操作)がしづらい
目の焦点を合わせづらくなる
→ リハビリでは、バランス練習や重心移動の練習を行い、転倒予防を図ります。
② パーキンソン様の症状(パーキンソニズム)
動作が遅くなる、震える
歩く時に手の振りがなくなる
立ち上がるのが難しくなる
→ 訪問リハビリでは、起き上がりや立ち上がりの訓練を反復。
反動を使わず、自分の力で動く方法を習得します。
③ 自律神経の障害による体調変化
立ち上がるとめまいや失神
頻尿・尿漏れ、便秘
喉のつまりや睡眠時無呼吸
→ ご自宅でも実施できる生活動作改善のアドバイスや運動指導を行います。
多系統萎縮症への治療
多系統萎縮症は原因不明のため根本的な治療法はありません。
薬物療法や生活指導、リハビリテーションが中心になります。
小脳症状には経口脊髄小脳変性症病薬や甲状腺刺激ホルモン、
パーキンソニズムには抗パーキンソン病薬、
自律神経症状には自律神経調整薬が処方されますが、
限界があるためリハビリテーションが重要になります。
ご自宅でもできる多系統萎縮症のリハビリテーション
多系統萎縮症に特化したアプローチをご紹介します。
多系統萎縮症では、筋肉そのものが弱っているわけではありません。
問題は、「体をこう動かす」という命令を出す脳の回路がうまく働かなくなること。
そのため、筋力トレーニングよりも、“動作の再学習”が非常に重要です。
エポック自費訪問リハビリでは、以下のような個別訓練を行います。
① 重りや弾性包帯を活用した感覚入力トレーニング
手足に適切な重りをつけたり、弾性包帯を巻いた状態で動くことで、
身体の動きに対する感覚(=求心性入力)を脳に伝えやすくし、動作のブレを抑えます。
「自分の体が今どう動いているか」が分かりにくくなることに対し、
身体の感覚を目覚めさせる工夫として有効です。
② バランス練習
床に手をつく「四つ這い姿勢」や、片膝立ち、立ったままでの重心移動など、
バランスの崩れやすい場面を想定した訓練を実施します。
転倒しないために、体幹を意識したトレーニングを進めていきます。
③ 起き上がり・立ち上がり練習
横向きに寝返り
肘をついてゆっくり起き上がる
しっかり体を前に倒して「お辞儀をするように」立ち上がる
こうした日常の動作をスムーズに行う訓練を繰り返します。
例えば「物につかまらずに立ち上がる」ことは、
バランスと筋力の両方を協調させる難しい動作ですが、
現時点での症状やご自宅の環境に合わせて、無理なく取り組める形に調整します。
④ 歩行練習
歩幅が狭くなったり、足を引きずるようになったり、
また、手足に同時に運動失調があると、杖を使うこと自体が難しくなることもあります。
そのため、
肩の力を抜く
膝を軽く曲げる
歩幅をあえて狭くしてバランス練習も含める
といった、転ばないための歩き方を一緒に練習していきます。
⑤ 発語練習
次第に声が出しにくくなったり、言葉がはっきりしなくなることもあります。
こうした症状に対しては、
姿勢を正して呼吸しやすくする
「あー!」と抑揚をつけて声を出す
口や喉の動きを意識した発声練習
といったトレーニングで、少しでも意思疎通を保つサポートを行います。
実際の研究で、効果が実証されています
週3回、1時間のバランス訓練を4週間実施 → 運動能力の評価スコアが大幅改善
1日2時間の集中的リハビリを4週間 → 歩行速度やADL(生活動作)の改善が6ヶ月続いた
自主トレを6週間継続した方は、歩行能力が改善し、効果は1ヶ月以上持続
一人ひとりに合わせたリハビリを、あなたのご自宅で
ご自宅のベッドやトイレ、階段など、「実際に使う場所」で練習ができるのが、訪問リハビリの最大の強みです。
決して特別なことではなく、「昨日より少し楽に動ける」日々を積み重ねることが、
多系統萎縮症との上手な付き合い方につながっていきます。
エポック自費訪問リハビリでは、多系統萎縮症に関するリハビリ経験がある理学療法士・作業療法士が在籍しています。
お気軽にご相談ください。