「腕が挙がらない」「肩が痛い」といった症状が出ると、多くの方は四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし実際には、肩の痛みの原因は非常に多岐にわたり、必ずしも肩関節周囲炎とは限りません。
訪問リハビリの現場でも、肩の痛みを訴える患者様は少なくありません。
正しく鑑別を行い、その方に合ったリハビリを行うことで改善のスピードが大きく変わってきます。
本記事では、肩の代表的な整形外科的検査法と、実際のリハビリで気をつけたいポイントについて解説します。
肩関節の痛みで考えられる代表的な原因
肩は人体の中でも最も可動域が広い関節であり、その分トラブルも起こりやすい部位です。
主な原因は以下の通りです。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
腱板損傷(ローテーターカフの損傷)
インピンジメント症候群
上腕二頭筋腱炎
関節唇損傷
筋肉のトリガーポイントによる関連痛
これらを見極めるために、セラピストは整形外科的テストを実施します。
代表的な肩の整形外科テスト
インピンジメントを疑うテスト
Hawkins-Kennedyテスト
患者様の腕を90度屈曲、肘も90度屈曲にした状態で内旋させます。
この動作で肩に痛みが出る場合はインピンジメント症候群の可能性が高いと考えられます。
ただし、どの組織が障害されているかまでは特定できません。
腱板(特に棘上筋・棘下筋)を疑うテスト
Empty Canテスト
腕を90°外転、30°前方へ水平内転、前腕を回内させた状態で上肢を挙上。
セラピストが抵抗を加えたときに痛みが出れば腱板損傷の可能性が考えられます。
近年は「棘上筋だけでなく棘下筋の関与もある」と言われています。
外旋筋力テスト
1stポジション:脇を締めた状態で肘を90°屈曲
2ndポジション:肩90°外転・肘90°屈曲
それぞれのポジションで外旋させ抵抗を加えると、どの繊維が障害されているかを推定できます。
上腕二頭筋を疑うテスト
Speedテスト
肘を伸ばし前腕を回外、肩を90°屈曲した状態で抵抗を加えます。
Yergasonテスト
肘を軽く曲げた状態で前腕を回外させ、抵抗を加えます。
いずれも痛みが出る場合は上腕二頭筋腱炎を疑います。
注意すべき「トリガーポイント」
検査で陽性反応があったとしても、必ずしも「損傷」や「炎症」とは限りません。
筋肉内にできる硬結=トリガーポイントによって痛みが出るケースも多くあります。
特に棘下筋のトリガーポイントは頻度が高く、肩の前面(上腕二頭筋腱溝付近)に痛みを引き起こすことがあります。
そのため、リハビリでは筋の柔軟性回復・血流改善・姿勢修正を合わせて行うことが重要です。
訪問リハビリでできる肩のアプローチ
訪問リハビリでは、以下のようなプログラムを症状に応じて組み立てます。
1. 痛みの評価とセルフケア指導
冷却や温熱療法の使い分け
自宅でできるストレッチ方法の指導
2. 筋力強化
ゴムバンドを使ったローテーターカフのトレーニング
体幹・肩甲帯の安定化トレーニング
3. 姿勢・動作指導
肩関節に負担をかけない起き上がりや立ち上がりの方法
日常生活動作(ADL)の改善
4. トリガーポイントへのアプローチ
筋膜リリース
軽いマッサージやストレッチ
自主的にできるセルフリリース法の指導
自費訪問リハビリの強み
保険診療では時間や回数の制限がありますが、自費訪問リハビリでは患者様一人ひとりに合わせたプログラムを柔軟に組むことが可能です。
長時間・高頻度のリハビリにも対応
専門知識を持つ理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が担当
自宅環境を活かした生活密着型のサポート
肩の痛みは一見「四十肩」と思われがちですが、実際には腱板損傷やトリガーポイント、上腕二頭筋腱炎など原因はさまざまです。
訪問リハビリでは、ご自宅にいながら専門的な評価とリハビリを受けることができ、改善につなげることが可能です。
「肩の痛みがなかなか改善しない」「自宅でリハビリを受けたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。