「人工股関節」「人工膝関節」は聞いたことあるけど、
「人工肩関節」は聞いたことがない、
という方は多いのではないでしょうか?
人工肩関節とは?
人工肩関節は、上腕骨側に挿入する「上腕骨コンポーネント」と、肩甲骨側に挿入する「関節窩コンポーネント」の二つで構成されます。
関節窩を置き換えずに上腕骨頭だけを置き換える場合は「人工骨頭置換術」と呼ばれます。
近年は、関節窩側をボール形状にし、上腕骨側を受け皿形状にする「リバース型」の採用が増えています。
手術の目的と期待できる効果
手術の主な目的は、疼痛の除去と関節機能の向上です。
術後は痛みが大きく軽減し、可動域も改善しますが、良好な経過でも肩屈曲は120°前後が目標となることが多いです。
腱板機能の回復が日常生活動作(ADL)向上の鍵を握ります。
適応疾患と手術方法の概要
- 3~4パーツ骨折やその変形治癒
- 骨欠損が50%以上ある脱臼骨折
- 変形性肩関節症や関節リウマチ
これらが代表的な適応疾患ですが、いずれも腱板機能がある程度保たれていることが前提です。
手術は Long Deltopectoral Approach が一般的です。
鎖骨から烏口突起の外側を通り、肩の前方を三角筋付着部まで切開します。
肩甲下筋と烏口肩峰靭帯を切離し、上腕骨頭を切除します。
大結節・小結節を人工関節のフィンに引き寄せて固定し、縫合後の腱板筋群の張力を調整します。
術後リハビリの進め方
術後1〜2週間は三角巾で固定します。
その後、介助下で肩屈曲90°以下から可動域運動を開始します。
肩甲下筋を縫合しているため、伸展や外旋は制限されやすく、外旋90°(1-position)以上は禁忌です。
手術翌日から離床と歩行が可能で、入院期間は通常2〜3週間です。
退院後は外来リハビリに移行し、可動域訓練と腱板筋強化を継続します。
エポックの自費訪問リハビリでできること
退院直後からご自宅や施設に理学療法士・作業療法士が訪問しリハビリをさせていただきます。
禁忌動作を避けながら、腱板機能を高める個別エクササイズをご提案します。
日常動作や趣味のスポーツ復帰を想定した動作指導で、QOL向上をサポートします。
痛み・可動域・筋力を定期的に評価し、回復状況に合わせてプログラムを更新します。
術後の日常生活で気をつけること
- 荷重をかけないようにする
- 重い物を持ち上げないようにする
- 腕を強く引っ張る動作を避ける
- 接触プレーを伴うスポーツは控える
これらを守ることで人工関節の緩みや脱臼を予防することができます。
まとめ
人工肩関節置換術は、痛みを軽減し、肩の機能を取り戻すための有効な治療法です。
腱板機能の回復と適切なリハビリが、ADLとQOL向上の鍵となります。
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