リハビリ

肩関節のリハビリの基本。ローテーターカフをおさらいしよう

肩関節機能は一般的に肩甲上腕関節機能、肩甲胸郭関節機能に区分され、

前者では腱板と三角筋、大胸筋など

いわゆるインナーマッスルとアウターマッスルの協調性が、

後者では僧帽筋、前鋸筋などの筋活動によって肩甲骨と胸郭との連結が重要視されます。

ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは

ローテーターカフ(回旋筋腱板)は、

  1. 棘上筋
  2. 棘下筋
  3. 小円筋
  4. 肩甲下筋

によって構成されます。

棘上筋・棘下筋・小円筋は上腕骨大結節に

肩甲下筋は上腕骨小結節に

それぞれ停止します。

棘上筋は外転・外旋(一部内旋)作用を、

棘下筋・小円筋は外旋を、

肩甲下筋は内転・内旋作用を有し、

肩甲上腕関節の回旋運動を担っています。

(だから「回旋筋」腱板というのです!)

これら腱板構成筋群は、

肩甲骨関節窩に上腕骨頭を求心位に引き付け、

運動視点を形成する、

という重要な役割があります。

腱板構成筋の筋活動は、

肩関節の運動方向や挙上角度に応じて変化すると言われています。

特に肩関節の運動は、多くの筋肉が複雑に作用しあっているため、

筋肉同士の関係性や運動の肢位など、細かな視点を捉えてアプローチしていく必要があります。

フォースカップル機能

フォースカップルとは、

関節運動の際、関節軸の安定の為に2つ以上の筋肉が連動してくことで、

適切な関節運動を生み出す働きのことです。

筋肉の働き方として、ある一定の運動開始や実行に直接働く筋を主働筋といいます。

ある特定の運動時に主働筋と協力して働く一対の筋群は共同筋と言われてています。

肩関節の運動時腱板筋群はどう作用しているのか

肩関節屈曲動作

棘上筋・肩甲下筋は、三角筋より先行して筋活動が発揮されます。

屈曲角度の増加に伴い、筋活動は徐々に減っていきます。

それに対し、棘下筋は屈曲角度の増加に伴い筋活動が漸増します。

肩関節外転動作

棘上筋の筋活動は、三角筋よりも先行して起こり、

棘下筋、肩甲下筋の筋活動は、棘上筋の筋活動を追随するように、

外転角度の増加に伴い、漸増していくパターンとなります。

棘上筋と三角筋の関係| 肩関節のリハビリ

肩関節下垂位からの外転運動は、

棘上筋による支点形成力の上に、

三角筋による強力な回転モーメントが加わることで

スムーズな運動を行うことができます

棘上筋と三角筋のフォースカップル機能)。

棘上筋は、外転時の三角筋による上腕骨骨頭の上方移動を防ぐ役割があり、

肩関節のリハビリテーションプログラム上とても重要なポイントです。

腱板損傷などの場合、

三角筋のみが作用し、骨頭は関節窩に沿って上方へ滑り、

突き上げるだけの動きとなってしまいます。

逆に、腋窩神経麻痺などの場合、

三角筋が機能せず棘上筋のみが収縮します。

棘上筋の外転方向へのモーメントは非常に弱く、

外転運動を生み出すことができません。

棘上筋のアプローチのポイント

棘上筋の筋力強化においては、

三角筋の活動を最小限にした上で、棘上筋の筋活動を最大に引き出すことが大切です。

棘上筋のエクササイズとして広く知られているのは、

empty can肢位とfull can肢位でのエクササイズです。

しかし、empty can ex.を行う際には、

肩関節が内旋位なので、

疼痛の誘発肢位と肩峰下インピンジメント症状に配慮しなくてはなりません。

更に、三角筋の筋活動を抑えるには、

運動肢位に外旋が組み合わされたペンダント肢位外旋と腹臥位外転位外旋肢位が適している、

という報告もあります。

インピンジメント症状の改善に伴い、

棘上筋のエクササイズは腹臥位での肩関節外転位外旋肢位に変更することで、

より機能的な肢位で行うことができます。

http://jspt.japanpt.or.jp/eibun/2011/1109_2.html より一部改変抜粋)

肩甲下筋のはたらき

腱板構成筋のなかでも、

肩甲下筋は、筋束が6つに区分されており、筋束に応じて筋走行が異なります。

肩甲下筋は、絶対筋力として表される生理的断面積が他の3筋の合計に相当しています。

つまり、肩甲骨前面にある肩甲下筋は、

肩甲骨後面にある棘上筋、棘下筋、小円筋の3筋との前後バランスを形成していることになります。

肩甲下筋の筋活動はいずれの運動方向においても筋活動量が顕著であり、

棘上筋や棘下筋の筋活動に対して前後のバランスを補っています。

肩すくめ現象(シュラグサイン)とローテーターカフ

肩関節疾患の上肢挙上運動においてしばしばみられるのが、

肩すくめ現象(シュラグサイン)です。

癒着性関節包炎患者では実に 94.7%の患者に観察されたという報告もあります。

(Jia X, Ji JH, Petersen SA, et al.: Clinical evaluation of the shoulder shrug sign. Clin Orthop and relat Res 466: 2813-2819, 2008.)

この際、棘上筋は挙上角度の変化に関わらず、常時著明な筋活動が生じます。

棘上筋の筋活動は、肩甲骨の過度な上方回旋を補正すべく、

下方回旋方向へと誘導するように

肩甲骨のアラインメント修正に機能すると考えられています。

(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/17/0/17_17-A02/_pdf

肩関節は複雑な関節の構成をしており、関与する筋肉も様々です。

この中でもローテーターカフは

肩甲骨の安定性と肩関節の円滑な運動において

非常に重要なはたらきをしています。

個々の筋肉の働きと、筋同士の関係性を理解した上で、アプローチしていく必要がありますね。

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