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安静とアイシングはNG?RICE処置に変わる新しい応急処置とは

もしも怪我をしてしまった場合、

身体にはどのようなことが起こって、どのような処置をしたらいいか知っていますか?

炎症の5兆候といえば

  • 発赤
  • 熱感
  • 腫脹
  • 疼痛
  • 機能障害

です。

組織に急性炎症が起こると毛細血管は拡張し、局所の血流が増加します(発赤、熱感)。

拡張した血管からは血液成分の滲出が起こり、浮腫が起こります(腫脹)。

浮腫が起こり組織圧が上昇し局所は圧迫され放出された化学物質が痛み受容器を刺激します(疼痛)。

原因が改善されなければ修復が追いつかず機能障害になっていきます。

これを起こさないためにこれまでは応急処置として

  • 安静(Rest)
  • 冷却(Icing)
  • 圧迫(Compression)
  • 挙上(Elevation)

の頭文字を取った『RICE処置』が推奨されてきました。

セラピストやトレーナーの皆さんはそう習ってきましたよね。

ですが、実はこれらが軟部組織損傷の回復に及ぼす効果については

ヒトを対象として臨床研究によるエビデンスはあまり多くないのです。

さらに安静は回復を阻害する一方で

力学的負荷を段階的にかける治療が最も効果的であることが多くの疾患で報告されてきているため、

近年では安静ではなく適切な負荷(optimal loading)に置き換えられた

『POLICE処置』

というものが提唱されました。

そして、現在ではさらに発展させた

『PEACE & LOVE処置』

というものが提唱されています。

応急処置の新定番『PEACE & LOVE処置』とは

『PEACE & LOVE処置』では

急性期の基本方針を『PEACE』で

亜急性期以降では『LOVE』で対応していきます。

①急性期の基本方針『PEACE』

  • 患部保護(protecton)

受傷後1〜3日間は関節運動を制限し、出血の最小化や組織損傷の拡大の防止を図ります。

ただし、安静は組織の構造的および力学的回復を阻害するため最小限に留めます。

  • 抗炎症を控える(avoid anti-inflammatories)

炎症反応は組織の回復に必要なもので、

その反応を薬物療法などで抑制することは長期的な組織回復にとってはマイナスになりかねないと言われています。

またアイシングの効果も疑問視されています。

軟部組織損傷に対する有効性を示した質の高いエビデンスがなく、

鎮痛効果を支持する報告もありますが、

炎症反応や血管新生、血行の阻害、好中球およびマクロファージ浸潤の遅延、未熟な筋繊維の増加などが懸念されています。

そのため過度な抗炎症処置は控えたほうが良いでしょう。

  • 圧迫(compression)

包帯やテープを用いた外部からの患部圧迫は関節水腫や組織の出血を制限する働きがあり、

腫脹を軽減し生活の質(QOL)を向上させます。

  • 患者教育(education)

能動的なアプローチのメリットを患者様に病態や負荷のマネジメントなどについて教育する必要があります。

②亜急性期以降の基本方針『LOVE』

  • 力学的負荷(load)

運動療法を主体とした能動的なアプローチはほとんどの運動器疾患の症例にとって効果的です。

適切な範囲内の力学的負荷は組織の治癒やリモデリング、強化を促進するため運動療法によって早期から負荷をかけていき、

症状の許す範囲で日常生活も再開させます。

  • 悲観的にならない(optimism)

患者様の精神状態は臨床成績や予後と関連します。

破局的思考や抑うつ、不安などのネガティブな心理状態は回復の妨げになることがあります。

  • 血行改善(vascularizetion)

有酸素運動は運動器疾患のマネジメントに不可欠です。

痛みのない範囲での有酸素運動を受賞数日後から始めることで

モチベーションの向上や患部の血行改善が得られ、

身体能力の改善や仕事復帰の支援や鎮痛剤の必要性の低下にもつながります。

  • エクササイズ(exercise)

エクササイズは受賞後の可動生や筋力、固有受容機能の回復に有効です。

まとめ

いかがでしたか?

安静やアイシングをしないというのはRICE処置で教育されてきた私たちには衝撃的ですし、中々勇気がいりますよね。

ですが、現在ではこの『PEACE & LOVE処置』が推奨されているのも事実。

早い段階から運動療法で負荷をかけていくこと、

そしてそのためには基本方針にも挙げられているように

患者様のモチベーションの維持・向上、治療方針の理解をしていただくことがとても重要ですね。

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