上腕骨近位部の術後、肩関節関連疾患の急性期において、
しばしば耳にするのが
「stooping ex.(ストゥーピングエクササイズ)」
です。
今回の記事では、stooping exについてより詳しく調べてみたいと思います。
ぜひ日常の臨床のお役に立てていただければ幸いです。
Stooping ex.とは
上腕骨の近位部骨折において、大切なのは何より
- 拘縮を作らないこと
かつ
- 偽関節や骨転位を起こさないよう骨癒合を促進させること
です。
拘縮を作らないためには関節を動かさないといけないし、
偽関節などを作らないようにするには不適切な負荷をかけないようにしなければいけません。
術後の成績は、できるだけ早期に開始すればするほど良いとされています。
そこで取り入れられるのがstooping ex.です。
Stooping ex.は主に肩甲上腕関節の可動域の維持を目的に行われている他動運動です。
骨折部への負荷や摩擦が少ないのでより安全に拘縮予防をはかることができます。
stooping-exの方法
肩の力を抜いた状態で、前かがみの姿勢を取らせ、上肢を自然に下垂させていきます。
重力を利用し、肩甲上腕関節の動きを引き出していく方法です。
体幹の回旋や側屈が入らないように気をつけましょう。
三角巾などを用いて上肢を免荷することで、緊張の緩和を図りやすくなります。
立位でやる方が良いとされていますが、腰などに不安がある方は座って行うなどの工夫も必要です。
stooping ex.のコツ!
- ただ下垂するだけだと、骨頭の動きとずれることがあります。大結節を触診し、肩峰下に大結節が入り込んでいく動きを介助しつつ反復します。
- 骨折部の不安定性が高い場合は、肩甲骨側を把持する介助者と骨折部を把持する介助者に分かれて誘導を行いましょう。
- 体幹を回旋知ることで後方・前方組織への伸張刺激を加えることもできます。
よく似ているけど違うCodman ex.
Codman ex.はいわゆる振り子運動のことです。
前にかがんだ状態で体を揺らし、反動を用いて上肢を他動的に動かすことです。
肩関節の拘縮を予防する治療手段ではありますが、
肩甲胸郭関節での運動もしくは骨折部での異常可動性を生じさせてしまうリスクがあります。
肩関節のリハビリはステップを見極めることが大切
肩関節に限らず、術後の体というのはとても繊細です。
自動運動が良いのか?
他動運動が良いのか?
従重力位でやるのか?
抗重力位でやるのか?
肩甲骨と上腕骨の位置関係はどうするか?
等々、考えれば考えるほど、アプローチには考えなくてはいけないことがたくさんあります。
今、患者様がどの時期にいて、どのような負荷をかけるべきなのか?
そこを見極めたうえで適切なアプローチを選択していくことが大切ですね。