糖尿病と合併症の関係
糖尿病は「血糖値が高いだけの病気」ではありません。
本当に恐ろしいのは、高血糖が続くことで全身の血管や神経が少しずつ障害を受け、合併症が進行することです。
特に代表的なのが「三大合併症」と呼ばれる 神経障害・網膜症・腎症。
いずれも生活の質(QOL)を大きく損ない、場合によっては命に関わります。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、糖尿病による合併症の中でも最も早期に現れやすいもののひとつです。
血糖値が慢性的に高い状態が続くと、体の神経に徐々にダメージが蓄積していきます。
神経が障害される仕組み
高血糖による代謝異常
血糖が高い状態ではブドウ糖が神経細胞内に過剰に取り込まれ、ソルビトールという物質に変換されます。
このソルビトールが細胞内に溜まることで、神経細胞の働きが低下します。血流障害による酸素不足
高血糖は毛細血管を傷つけ、神経に栄養や酸素を供給する血流を妨げます。
その結果、末梢神経が酸素不足に陥り、機能が障害されます。酸化ストレスと炎症
高血糖状態では体内で活性酸素が増え、神経組織が酸化ストレスにさらされます。
さらに炎症反応も起こり、神経線維やその周囲の支持組織がダメージを受けます。
障害される神経の種類
末梢神経(手足の感覚神経)
最も影響を受けやすく、しびれや感覚の低下が起こります。運動神経
進行すると筋力低下や歩行障害を引き起こします。自律神経
血圧調整・発汗・胃腸の働き・排尿機能などに関わるため、生活全般に影響が出ます。
発症の流れ
糖尿病を発症してから数年で症状が現れることもあれば、10年以上経ってから自覚される場合もあります。
初期には軽いしびれや感覚鈍麻だけですが、放置すると潰瘍や壊疽に発展し、下肢切断につながるリスクもあります。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、長期間の高血糖によって網膜の毛細血管が徐々に障害されていく病気です。
網膜は目の奥にある“カメラのフィルム”のような組織で、光を感じて脳に映像として伝える重要な役割を担っています。
その網膜の血管が障害されると、視力の低下や失明につながるのです。
障害の仕組み
高血糖による毛細血管の損傷
血糖値が高い状態が続くと、網膜にある細い血管の壁がもろくなります。
血管が詰まったり、破れて出血したりすることで網膜の働きが低下します。血流不足と酸素欠乏
毛細血管が障害されると、網膜に十分な酸素が届かなくなります。
これを補うために新しい血管(新生血管)が作られますが、この血管は非常にもろく破れやすいのが特徴です。新生血管と増殖膜の形成
新生血管は簡単に出血を起こし、硝子体出血(目の中に大きな出血がたまる状態)や網膜剥離を引き起こします。
これにより急激に視力が低下し、最悪の場合は失明に至ります。
進行の段階
糖尿病網膜症は次のように段階的に進行します。
単純網膜症:毛細血管が膨らむ・出血するなど軽度の変化。自覚症状はほぼなし。
前増殖網膜症:血流不足が進み、新生血管が生え始める前段階。
増殖網膜症:新生血管や増殖膜が形成され、硝子体出血や網膜剥離が起こる危険な段階。
日本における位置づけ
糖尿病網膜症は、日本で成人の失明原因第2位を占めています。
特に「症状がないまま進行する」のが特徴で、視力に異常を感じた時にはすでに重症化しているケースも少なくありません。
糖尿病腎症
糖尿病腎症は、長期間の高血糖によって腎臓の「糸球体」というろ過装置が障害されることで起こります。
腎臓は左右にひとつずつ存在し、血液をろ過して老廃物を尿として排泄し、体内の水分や塩分のバランスを調整する重要な臓器です。
その中心的役割を担っているのが糸球体と呼ばれる微細な血管のかたまりです。
高血糖が腎臓を傷つける仕組み
糸球体への過剰な負担
血糖値が高い状態が続くと、腎臓に流れる血流量が増え、糸球体に過剰な圧力がかかります。
この「糸球体過剰濾過」が長期間続くと、フィルターの目が荒くなり、正常では通さないタンパク質まで尿に漏れ出すようになります。毛細血管の硬化と障害
高血糖は血管壁を傷つけ、糸球体の毛細血管が硬化・肥厚していきます。
すると本来のろ過機能が低下し、老廃物を十分に排泄できなくなります。慢性炎症と酸化ストレス
高血糖は体内で酸化ストレスや炎症を引き起こし、腎臓の組織そのものが徐々に壊れていきます。
これにより腎臓全体の働きが失われ、腎不全へと進行します。
進行の段階
糖尿病腎症は段階的に悪化していきます。
第1期:腎症前期
糸球体過剰濾過が始まるが、尿検査では異常が出ない。第2期:早期腎症期
尿に微量のタンパクが出始める(微量アルブミン尿)。まだ自覚症状はほぼなし。第3期:顕性腎症期
尿タンパクが明らかに増え、むくみや血圧上昇が出始める。第4期:腎不全期
血液検査で腎機能低下が明らかになり、貧血・高血圧・体調不良が強くなる。第5期:透析期
腎臓がほとんど機能しなくなり、人工透析が必要になる。
社会的影響
日本では透析導入の原因疾患の第1位が糖尿病腎症です。
一度透析に入ると週3回の通院が生涯必要となり、生活の質(QOL)は大きく低下します。
そのため、糖尿病腎症は予防が最も重要な合併症のひとつなのです。
三大合併症が怖い理由
これら三大合併症は共通して、
初期は無症状である
進行してからでは治療が難しい
生活の自立を奪う可能性が高い
という特徴を持ちます。
つまり「自覚した時にはすでに進行している」ことが多いのです。
そのため、糖尿病と診断された時点で合併症を防ぐための管理が必須となります。
予防と対策
合併症を防ぐ最大の方法は、血糖コントロールを良好に保つことです。
食事療法(糖質管理・栄養バランス)
運動療法(筋肉量を維持し糖を取り込む)
定期的な検査(血糖値・HbA1c・眼科・腎機能検査)
これらを継続することが、合併症予防の最も確実な手段です。
エポック自費訪問リハビリでできること
糖尿病による合併症が進行してしまった方にとっても、リハビリは非常に重要です。
合併症による症状は単なる運動不足とは異なり、安全性や専門的な配慮が求められます。
エポック自費訪問リハビリでは、ご自宅に専門職(理学療法士や作業療法士)が伺い、生活環境に合わせたリハビリを継続的に提供できるのが大きな強みです。
神経障害がある場合
糖尿病性神経障害では、足先のしびれや感覚の低下により、転倒や外傷のリスクが高まります。
エポック自費訪問リハビリでは、
歩行訓練(バランス練習・杖や歩行器の正しい使い方)
足の観察指導(小さな傷や感染を早期に発見)
感覚障害に応じた靴やインソールの選び方指導
などを行い、転倒や足潰瘍の予防につなげます。
網膜症がある場合
糖尿病網膜症で視力が低下すると、生活動作の安全性が大きな課題になります。
エポック自費訪問リハビリでは、
段差や障害物の回避動作訓練
視覚以外の感覚を使った動作練習
家具の配置や動線の工夫など環境調整
をサポートし、視覚障害があっても自宅で安心して生活できるようにします。
腎症がある場合
糖尿病腎症が進行すると、倦怠感や体力低下が顕著になります。
透析中の方は特に疲労感が強いため、無理のないリハビリが不可欠です。
エポック自費訪問リハビリでは、
呼吸や心拍数を確認しながらの安全な有酸素運動
短時間でも効果的な筋力維持トレーニング
疲労や浮腫に配慮した個別プログラム
を提供し、体力を保ちながら生活の自立を支援します。
訪問リハビリの強み
訪問リハビリは、通院が難しい方や合併症を抱えた方にとって最適な選択肢です。
自宅で安心して取り組める
ご家族も一緒にサポート方法を学べる
医師や看護師と連携して体調管理ができる
まとめ
糖尿病の三大合併症は、放置すると失明・透析・下肢切断といった深刻な事態につながります。
しかし、早期からの血糖コントロールと生活習慣改善、そして専門家のサポートによって予防・進行抑制は可能です。
エポック自費訪問リハビリでは、糖尿病やその合併症をお持ちの方に合わせた運動プログラムを提供しています。
ご自宅で安全に取り組めるリハビリを希望される方は、ぜひご相談ください。