大腿骨頚部骨折は、高齢者の歩行能力を大きく損なう代表的な骨折です。
股関節の付け根(大腿骨頚部)は血流が乏しい領域であり、骨折後は治癒が遅れやすく、二次的な機能低下が連鎖的に発生します。
治療法が手術(人工骨頭置換術・骨接合術)であれ保存療法であれ、最終的に生活が取り戻せるかどうかは術後・退院後のリハビリの質と継続によって決定します。
特に退院直後の1〜3か月は、身体機能の回復スピードが最も大きく変化する回復曲線のピークであり、この時期のリハビリ介入が歩行再獲得の鍵を握ります。
大腿骨頚部骨折の病態と回復過程
骨折によって起こる生体反応
大腿骨頚部が折れると、以下の順に組織変化が進行します。
血流障害
筋抑制による急速な筋力低下
関節包・靭帯の硬化
歩行時の疼痛回避姿勢(逃避動作)
バランス反応の低下
特に中殿筋(骨盤を支える筋)と大腿四頭筋(膝を支える筋)の萎縮は進行が早く、未介入のまま1〜2週間経過すると、立ち上がり・歩行に顕著な悪影響を及ぼすこともあります。
手術後に起こりやすい二次的問題
股関節まわりの癒着
体幹筋の弱化
歩行リズムの崩壊(Trendelenburg歩行・すり足歩行)
転倒恐怖による活動量の低下
認知機能の一時的低下
病院内でこれらすべてを生活動作レベルまで回復させられないこともあり、自宅でのリハビリが必要になることも少なくありません。
退院後のリハビリが“歩けるかどうか”を決める
退院直後は自宅環境に戸惑う方も少なくありません。
例えば段差、トイレの高さ、ベッドの位置、キッチンの動線などが、病室やリハビリ室とは根本的に異なります。
つまり、病院で歩けていても、いざ自宅に戻ってみると思いもよらない苦労があったりします。
訪問リハビリはこの自宅環境を前提に、以下の4点を生活に合わせて調整していきます。
歩行能力(補助具・速度・安全性)
立ち上がり・移乗動作(椅子の高さ・トイレ・浴室・ベッド)
痛み管理(過負荷・不適切な動作の調整)
再転倒予防(環境・筋力・バランスの総合調整)
これらは自宅や施設などの生活環境でなければ評価を完全に行うことは難しく、外来や病院では限界があります。
大腿骨頚部骨折後のリハビリ内容を理学療法士が徹底解説
1. 筋力訓練
大腿骨頚部骨折後に最優先すべきは、中殿筋・大殿筋・大腿四頭筋の強化です。
これらの筋は「立位安定性」「骨盤水平保持」「膝折れ防止」に直結します。
エポック自費訪問リハビリで実際に実施しているメニューの一部をご紹介します。
股関節外転筋強化(中殿筋)
ブリッジ系トレーニング(大殿筋)
膝伸展トレーニング(大腿四頭筋)
立位での体重移動訓練(荷重調整)
転倒時の予備反応訓練(バランス訓練)
筋力は「正しい位置に正しい方向で負荷をかける」ことで効率よくついてきます。
セラピストと一緒にやることで、効率よく回復を目指しましょう。
2. ROM訓練(関節可動域訓練)
関節包の硬化は術後2〜3週間で顕著になります。
特に股関節屈曲・外旋・外転は歩行可能範囲を決める最重要項目です。
足が前に出にくい
踏み出す時に痛む
歩幅が小さくなる
これらは可動域制限が原因のことも多く、適切な関節可動域練習を行うことで改善していきます。
3. 歩行訓練
不要な痛みの増加
体重が術側に乗らない
再転倒の確率増加
歩行パターンの崩壊
こういったことを回避するために、適切な運動量の歩行訓練が必要です。
またエポック自費訪問リハビリでは、ご自宅や施設での生活導線に合わせて杖・歩行器をご提案したり、手すりなどの設置のご提案も行います。
4. ADL(日常生活動作)訓練
自宅では、立ち上がり・移乗・段差・浴室などADL上で動作が困難になる場面が多く存在します。
エポック自費訪問リハビリでは以下を実際の生活環境に基づいて練習していきます。
椅子からの立ち上がり方
ベッド⇔車いすの移乗
トイレの立ち座り
玄関の段差越え
キッチンでの立位保持
これらはご自宅やご施設での実際の生活に合わせてトレーニングすることが効果的です。
5. 再転倒予防
骨折後1年間の再転倒率は約30〜50%と非常に高く、転倒予防は重要です。
エポック自費訪問リハビリでは次の介入を行います。
室内動線の調整
マット・カーペット類のチェック
夜間トイレ時の環境調整
下肢筋力+バランストレーニング
手すり・福祉用具の提案
など、挙げだしたらきりがありませんが、
生活環境面の調整と、筋力やバランス能力といった身体能力面の調整の両面からアプローチしていく必要があります。
自費訪問リハビリだから可能になる
介護保険下のリハビリでも問題ないことも多いですが、自費訪問リハビリだからこそできることもあります。
自費訪問リハビリでは、
時間制限がなく、十分な時間が取れる
急性期からの介入も可能
個別の症状に完全特化
環境調整やご家族様へのサポート
これらが可能なため、選択肢の1つに自費訪問リハビリもご検討いただけたらと思います。
大腿骨頸部骨折 まとめ
「病院では歩けていたのに、自宅では不安定…」
これは多くの方が直面する現実であり、実際に弊社にもよくお問い合わせがきます。
退院後は何をどれだけすれば良いか?が最も分かりづらい時期です。
エポック自費訪問リハビリでは、専門の理学療法士が自宅に伺い、
状態評価→リハビリ→環境整備→ご家族様指導を一貫して実施いたします。
まずは初回相談をご利用ください。