リハビリ

リハビリで知っておきたい歩行速度についての基本

障がい者の自立を獲得するためには様々な条件がありますが、

今回は歩行速度に着目してみようと思います。

健常者の歩行速度知ってますよね? | 自費訪問リハビリのエポック

健常者の平均速度は0.8~1.0m/秒(2.9~3.6km/h)です。

山岸は、青年では1.17m/秒(4.2km/h)であったと報告しています。

最近では歩行速度と寿命との関係性の報告もしばしば挙げられています。

歩行には、全身の筋力・心肺機能・認知機能など様々な要素が必要とされます。

様々な場面で実用歩行の基準となるのが、歩行速度1.0m/秒です。

歩行速度に大きく影響する因子としては、

  • 年齢
  • 身長
  • 体重
  • バランス
  • 下肢筋力

そして、

立脚中期におけるCOP(足底中心)の移動速度が大きく関連しているという報告があります。

(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2010/0/2010_0_AcOF1006/_article/-char/ja/

高齢者の歩行速度は?影響する因子は?

高齢者の歩行の代表的な特徴は以下の通りです。

  • 歩行速度の低下
  • 歩幅の減少
  • 歩行率の低下
  • 両脚支持期の増加
  • 歩隔の増大
  • 体幹の前傾、円背
  • 股関節、膝関節、足関節の運動範囲の減少
  • 上下動の減少+左右動の増加

最大歩行速度は高齢者の独歩自立を判断する上で重要な因子です。

ある報告によると、最大歩行速度による独歩自立の可否の判別をROC曲線解析にて検討した結果、

至適カットオフ値は 1.038m/secです。

一方、0.60 m/sec 未満では、独歩自立例の割合は2.3%にとどまり、

高齢者が歩行補助具を使用しない条件において安定した歩行を獲得するためには、

少なくともこの速度を上回る必要があります。

(参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/32/5/32_635/_pdf

また、フレイルの評価基準には、

通常歩行速度1.0m/秒未満の場合フレイルの可能性が示唆されるとされています。

片麻痺の実用的な歩行速度とは

片麻痺の実用歩行速度としてはいくつか報告があります。

坂本らは

10m30秒以内(0.33m /秒)で歩ける者を実用歩行者として

吉永らは便宜上

10m20秒未満(0.5m /秒)を実用歩行としています。

他にも、

階段や斜面・溝などを設定した状態で、

500m30分以内(0.28m/sec)で歩ける者を実用歩行(三宅ら)、

目標を職場復帰として通勤を考慮するならば、

100m150秒(0.67m /sec)程度の速さが必要である(稲坂ら)

としています。

日常生活上の歩行速度の基準

横断歩道を渡るために必要な歩行速度

一般的に、横断歩道を渡るには1m/秒の速さが必要とされています。

『実は歩行者用信号の青の時間は、横断歩道の長さによって異なります。

横断歩道の長さ1mにつき1秒で計算し、さらに交通量の差によって多少の猶予時間がプラスされています。

つまり20mの長さの横断歩道では、青点灯時間は20秒(+α)ということです。

しかしこの+αの時間というのが場所によってかなりバラつきがあるようです。

(引用:http://www.ronenbyo.or.jp/hospital/tiikiriha/rehacolumn/rehacolumn_20.pdf)』

踏切を渡りきるための歩行速度

踏切の遮断時間に関しては、

「踏切道通行人等及び列車等の運転の安全が図られるよう、

踏切道通行人等に列車等の接近を知らせることができ、

かつ、踏切道の通行を遮断することができるものでなければならない。」

と規定されています。

また、技術基準の解釈基準に、

警報の開始から遮断動作の終了までの時間(警報時分)は、

15秒を標準とし、10秒以上と定められています。

これは、歩行者が 5km/h(1.3m/秒)で単線を通過した場合に、踏切道を渡りきれる時間です。

一方、高齢者の標準的な歩行速度は、

65 歳で 1.2m/秒、75 歳以上の平均で 1.0m/秒とされています。

多くの高齢者が踏切内に取り残されるリスクを持っているということです。

リハビリセラピストなら覚えておきたい | 歩行速度の評価

10m歩行速度

10m+助走路前後3mの合計16mの距離を歩行し、速度を計測します。

快適速度と最大歩行速度の2つを評価します。

カットオフ値:屋内歩行24.6秒、屋外歩行として11.6秒

また、通常高齢者1.0m/秒、

屋外活動性の低い高齢者0.66m/秒と言われており、

これは前述の高齢者の独歩自立の文献と同等ですね。

TUG(Timed UP and Go test)

椅子から立ち上がり、3m歩行し、方向転換後、3m歩行して戻り、椅子に座るまでの時間を計測します。

カットオフ値:10秒

20秒:屋外外出可能

30秒以上:日常生活動作に要介助

8.5秒以上:転倒の可能性が高まる

6分間歩行

6分間でどれくらいの距離を歩けるかを計測します。

歩行自立のカットオフ値は200mです。

リハビリにおいて歩行速度の知識は必須です

歩行速度の知識を持ってアプローチすることは、

患者様の自立度を上げる上でとても大切なことであるのはもうおわかりでしょう。

先もお伝えした通り、

歩行には身体的要因や認知・心理的要因など様々な要素が絡んでおり、

生活の自立を目指すうえで重要な因子です。

歩行速度に対する視点を持ちながら、日々リハビリができるといいですね。

その他参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/16/4/16_KJ00001305976/_pdf

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