リハビリ

【 解剖学コラム 】 膝内側側副靱帯(MCL)損傷

内側側副靱帯は膝の主要な靭帯の1つ。

強度は各関節の主要な靭帯の中でも

前十字靭帯の次いで高く、破断強度は800N近いです。

浅層繊維、深層繊維、後斜走繊維の3つがありますが、

深層繊維と後斜走繊維は構造が明確ではなく関節包に近い。

浅層は近位部と遠位部があり、

近位部は外反制動、遠位部は下腿外旋制動が主の働きとなり、

遠位部の損傷は前十字靭帯損傷も併発することが多く、

重症化しやすいと言われています。

膝内側側副靭帯損傷の受傷機転

多くはスポーツで受傷し、

減速時や接触プレーで膝の外反・外旋を強制された時に損傷します。

整形外科的テスト

膝のMCL損傷は主に外反ストレステストで鑑別をします。

患者様を仰向けにして

セラピストは片方の手を患者様の膝の外側に置いて、

もう片方の手を足関節部に持って膝関節を外反させます。

膝関節は①伸展位と②屈曲30°で行い、

不安定性や痛みを確認します。

不安定感や痛みによって後述の重傷度が変わります。

膝内側側副靭帯損傷の重症度

グレード1外反ストレステストで不安定性はないが、MCLに痛みがある。
グレード2外反ストレステストで膝屈曲30°にて不安定性(+)、膝伸展位では不安定性(−)
グレード3外反ストレステストにて膝屈曲30°、伸展位ともに不安定性(+)

グレード1とグレード2は不全断裂、グレード3では完全断裂です。

グレード3ではACL損傷を併発している可能性があります。

膝内側側副靭帯損傷の予後

膝のMCLは関節外靱帯であるため自然治癒することができます。

そのためグレードに関係なく保存療法が第一選択となりますが、

グレード3では手術になることもあります。

不全断裂(グレード1&2)であれば

受傷後6週で正常靱帯とほぼ同等の強度まで回復しますが、

完全断裂(グレード3)では受傷後12週でプラトーに達し、

強度も正常靱帯の60%程度までしか回復しません。

回復促進因子は?

適切な時期に適切な伸張ストレスをかけていくことは回復促進につながります。

基準長の2.5%の歪みを生じる伸張ストレスを合計で10分間、

6時間おきにかけることが最も効果的です。

また、運動自体も回復を促進するため、

膝関節以外の部位の運動を行うことで回復が促進されます。

グリシン、プロリン、リシン、ヒドロキシリシン、ヒドロキシプロリンなどの

アミノ酸やビタミンCはコラーゲンの回復を促進します。

MCLリハビリの基本的な考え方

受傷後数日の急性期は炎症を沈静化させつつ

早期から運動を行います。

筋力強化はMCLに伸張負荷がかからないように

パテラ・セッティングやSLRなどの等尺性運動から実施していくことが基本です。

受傷2日後〜1・2ヶ月までの亜急性期では

正常な関節運動や歩行の獲得をテーマにリハビリを行っていきます。

痛みのない範囲で荷重位を含めた積極的なROM訓練を行い、

等張性運動も徐々に開始します。

回復期では

左右対称で問題のない矢状面上での運動から開始します。

スポーツ動作に必要な

完全なるROMと静的なバランス、筋力を獲得することが目標です。

強化期では、

良好な運動パフォーマンスおよび安全なスポーツ動作の獲得、

健側比90%異常の筋力や運動パフォーマンスを目指します。

積極的な高負荷、高速度の筋力トレーニングやスポーツ動作練習、

競技復帰の準備を積極的に行っていきましょう。

またMCLは膝の外反・下腿外旋によってストレスが加わります。

これはつまり、knee-in・toe-out動作です。

そのため、各種動作でknee-in・toe-out動作にならないよう、

膝関節のアライメントに注意しながら積極的に運動を行っていく必要があります。

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